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副島隆彦先生緊急!!から引用してます


 副島隆彦です。今日は、2010年1月28日です。今日は、現在の小沢一郎、及び鳩山政権に対する検察庁特捜部からの攻撃、そして、今年秋以降に訪れると私が予測している、アメリカ発の新しい金融危機、世界経済の統制経済への突入について書きます。
 すでに、「重たい掲示板」や「ぼやき」の広報ページで警告していることですが、この1月になって急激に、日本のテレビ6社(NHKを含む)と新聞5社が、激しい小沢一郎攻撃を始めました。去年の三月に一度、小沢攻撃がありましたが、現在のようにここまでひどいものになるとはみんな予想しなかった。1月15日に、小沢一郎の元秘書、そして今、北海道11区から衆議院議員に当選している石川知裕議員を事情聴取だけではなく、逮捕までするという暴挙に出ました。


(貼り付け開始)
石川議員を逮捕、小沢氏の元私設秘書も
 東京地検  2010年1月15日23時49分 読売新聞

石川知裕衆院議員 小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る事件で、東京地検特捜部は15日夜、小沢氏の元私設秘書で同会の事務担当者だった石川知裕・衆院議員(36)(民主・北海道11区)と、石川容疑者の後任の事務担当者だった池田光智・元私設秘書(32)を政治資金規正法違反(虚偽記入)容疑で逮捕した。

 同会の元会計責任者で小沢氏の公設第1秘書・大久保隆規被告(48)(公判中)についても同法違反容疑で逮捕状を取り、出頭を求めている。事件は、政権与党を大きく揺るがす事態となった。

 現職国会議員の逮捕は、2005年11月の西村真悟・民主党衆院議員(当時)以来。土地取引を担当した石川容疑者はこれまでの特捜部の任意の事情聴取に、「ミスだった」などと犯意を否認。罪証隠滅の恐れや心理状態にも不安な面があることなどから、特捜部は、事件の全容解明には逮捕して取り調べる必要があると判断。逮捕許諾請求の必要性がない、国会開会前のこの時期の逮捕に踏み切った。

 発表などによると、石川容疑者は04年10月29日、東京都世田谷区の476平方メートルの土地を同会で購入した際、代金や手数料など計約3億5200万円を支払った。簿外で用意した現金4億円を同会の口座に入金し支払いに充てたが、同会の04年分の政治資金収支報告書の収入に4億円を記載せず、支出も約3億5200万円過少に記載した疑い。

 池田容疑者は大久保被告と共謀して、土地代金を翌05年に支出したかのようにして05年分の収支報告書の支出総額に約3億5200万円を過大に記載し、07年には同会から4億円を支出したのに07年分の収支報告書に記載しなかった疑い。

 一方、石川容疑者が04年10月、中堅ゼネコン「水谷建設」(三重県)側から、5000万円を受け取った疑いも浮上しており、特捜部は、ゼネコンの資金が土地取引に使われた可能性についても捜査している。

 石川容疑者は大学在学中の1996年から05年7月まで小沢氏の私設秘書を務め、昨年8月の衆院選で、2期目の当選を果たした。

(2010年1月15日23時49分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100115-OYT1T01250.htm
(貼り付け終わり)

 副島隆彦です。

 普通こういう政治資金収支報告書の、どちらかといえば記載漏れ程度で、現職の国会議員を逮捕するなどということが許されていいわけがない。これは日本の検察庁の激しい違法行為、法律に違反した行動である。法律の解釈を間違ったどころか、意図的に壊してしまっている。法律違反の行動をとっているということです。この暴走をどうやってとめるかということを私たちは考えているわけです。岩手県の胆沢(いさわ)ダムにかかわった、建設会社に手当たり次第に強制捜査をかけ、その場面をテレビカメラで派手に撮影させ、ニュース番組で流し、自分たちこそ正義だと振舞っている。

 これに対して、小沢一郎は、23日に東京のホテル・ニューオータニで東京地検の聴取に応じた。この中で収支報告書の記載の問題や土地代金の原資について説明した。


(貼り付け開始)
 小沢幹事長 虚偽記載関与を否定 聴取後に会見、文書配布
1月23日21時11分配信 「毎日新聞」

 小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る事件で、東京地検特捜部は23日、小沢氏から任意で事情聴取した。小沢氏は聴取後に会見して、特捜部への説明内容を文書で公表。土地購入費として陸山会に個人資産4億円を貸し付けたと認めたが、政治資金収支報告書の虚偽記載は「全く把握していなかった。内容について相談や報告を受けたことはない」と関与を全面的に否定した。

 政権党の現職幹事長が捜査機関の事情聴取を受けるのは極めて異例。聴取は同日午後2時ごろから約4時間半、東京都内のホテルで行われた。市民団体から告発されたため被告発人として黙秘権を告げられ、「被疑者聴取」で行われ、調書2通に署名したという。特捜部は聴取内容を検討し、小沢氏の関与の有無について更に捜査を進めるとみられる。

 小沢氏の説明によると、秘書の住宅建設のため土地購入を指示。当時の事務担当者だった衆院議員、石川知裕容疑者(36)=政治資金規正法違反容疑で逮捕=から「政治団体の資金をかき集めれば何とかなるが活動費がなくなる」と言われ、購入費として個人資産を貸し付けたという。

 4億円の原資については(1)85年に自宅を売却し別に新築した際の残金から89年に引き出した2億円(2)97年に家族名義の口座から引き出した3億円(3)02年に同じく引き出した6000万円−−を東京・元赤坂の事務所の金庫に保管しており、土地購入時には4億数千万円残っていたと説明した。

 中堅ゼネコン「水谷建設」(三重県桑名市)元幹部らが、土地購入時期に胆沢(いさわ)ダム(岩手県奥州市)下請け工事の受注謝礼として、石川議員に5000万円を渡したと特捜部に供述し、これが土地購入費に充てられた疑いが持たれている。これに対しては「事実無根。不正な裏金は一切もらっていないし、事務所の者ももらっていないと確信している」と否定した。

 土地購入の会計処理については「すべて担当秘書が行い、全く関与していない」とし、土地登記を翌05年にしたことも「何のメリットもないので私には分からない」と述べた。購入直後に4億円の定期預金を組み、それを担保に小沢氏名義で融資を受けて陸山会に貸し付けたことについては「以前の不動産購入でも金融機関からの借り入れを要請されたこともあり、秘書から頼まれ、そういう理由からと思って署名したことはある」とした。

 石川議員は調べに故意の虚偽記載を認め、「土地購入の会計処理について小沢氏に報告した」と供述。だが、小沢氏は「(陸山会の)収支や残高など概要の報告は受けたが、収支報告書や帳簿は見ておらず内容は一つ一つ確認していない。担当秘書を信頼し一切任せていた」と述べた。

 小沢氏は12日の記者会見や16日の党大会で「事務的なミスはあったかもしれないが意図的に法律に反することはしていない」などと強調し、検察との対決姿勢を示していた。しかし、聴取後の説明では虚偽記載について基本的に「秘書が行い、分からない」との姿勢に転じ、「捜査にはこれからも協力していく」と表明した。

2010年1月23日 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100123-00000027-maip-soci
(貼り付け終わり)

副島隆彦です。
 以上が、小沢一郎の記者会見を報じる新聞記事だ。裏金の問題が何も出てこなければ、それで終わりだ。それでも、どう考えても検察のリークとしか思えない情報が連日、新聞に載る。洪水のように、違法でもない小沢の秘書の行為をまぜくって、何でもかんでも一緒に検察からの情報を垂れ流すことで、民主党政権に対する世論を操作している。

 このような検察によるマスコミへのリークはロッキード事件やリクルート事件でもあった。しかし、国家公務員である検察官が、捜査情報をマスコミにリークすることは、実際に国家公務員法違反である。これに対して、次の世代の自民党を担うであろう、あまり汚れていない政治家の河野太郎(谷垣禎一に総裁選で挑んだ)が、検察のリークを批判している。

 あまりに検察のリークがひどいので、民主党は1月17日に、検察庁の捜査情報を違法にメディアにリークしていることに対する調査委員会をつくりました。ところが、これも腰砕けになってしまったようだ。

 マスコミは。検察リークで記事を作っていることに対して、民主党の議員から批判が出たことに怒り心頭になっている。確かに公務員である政治家が、メディアに圧力をかけてはならない。しかし、公務員である検察官を指揮するのは内閣のメンバーである法務大臣だ。この二つをわざと混同する形で読者を混乱させるのは、マスコミがよほど官僚機構に依存しているからだろうと、思います。

 検察庁や法務省が、なぜここまで鳩山・小沢政権に対して、反発を示しているかというと、民主党政権で、警察や検察の取調べの模様を全部ビデオ録画するという「取調べ可視化」の法案を国会に提出しようとしているからだ。これをやられてしまうと、いままで検察が、取調べの際に作成した調書が全部「でっちあげ」の作文だったことが丸分かりにばれてしまうのだ。

 日本の刑事裁判の有罪率が9割以上というのは、そういう勝手に検察官によって作文された調書が裁判で証拠として採用し、裁判官もほとんどの場合、それに疑いの目を差し向けないからだ。

 だから、この、可視化法案、つまり、警察や検察の取調べの模様を必ず全部録画をして、被疑者・容疑者の人権に配慮する法律は必ず成立させないといけない。この法案は、適正な裁判のために必要なものである。一部の大新聞がこの可視化法案にまで反対するのはみっともない限りだ。

 それから、中井洽(なかいひろし)国家公安委員長が、警察庁改革をやっている。中井氏は、これまで、警察庁長官が仕切っていた記者会見を自ら主催するようにした。閣僚である国家公安委員長の会見に、警察庁長官が陪席(ばいせき)する、という形を取った。これは画期的なことだ。官僚は政治家に使われる立場にあり、同時に官僚を指揮監督するのが政治家の役目である。

 その意味で、民主党が検察庁のトップである検事総長の人事を、日銀総裁などと同じように国会で承認する案件にする動きを見せているのは非常に正しいことである。検察庁が、ものすごい勢いで、石川知裕衆議院議員に、しかも民主党大会の前日に襲い掛かったのは、法務省・検察庁に対する国会議員の影響が及ぶのを食い止めるためだったろうと思う。


 法務省官僚たちは、事務次官が62歳で定年なのに、さらにその上に最高検察庁の検事総長は65歳までなれる。そして、各地方に検事長というのが8人いる。その下に各県に検事正というのがいる。その下が次席検事である。

 そして、東京地検と大阪地検に、特別捜査部、特捜部がある。これは今は谷川恒太次席検事の指揮下にある。特捜部は占領下の1947年、占領軍の指導で隠匿退蔵(いんとくたいぞう)物資事件捜査部としてスタートした機関で、要するにアメリカの指導で作られた機関なわけです。現在の特捜部長の佐久間達哉が、在米日本大使館の一等書記官だったことがあること、特捜部がロッキード事件のときにアメリカと見せた連携に現れているように、特捜部がアメリカの意向を今も受けていることは明らかです。ただ、設置には、細かい法律上の根拠はあまりないようである。

 官僚組織というものは一度出来上がると、何とでも生き残ろうとする。この特捜部がいい見本である。だから、まずこの特捜部を解体させなければいけない。民主党は設置根拠になっている法律や各省庁の規定をまず見直さなければならない。

 捜査権は警察だけにあたえるべきで、起訴して裁判を有罪に導く公訴の権限しか検察庁に与えてはならないわけです。この状況まで来ると、検察庁法第14条の指揮権の発動。各公訴の内容について、法務大臣が指揮することができるとはっきり条文で書いていますので、これに基づいて検察官たちを正しく処罰、適法な行いをしていない場合は左遷しなければいけない。そして、法律や規定を変えて、この特捜部を廃止するべきなのです。そうしないと組織が残り続ける限り、政治家たちは常にこの特捜部の暴走に悩まされることになる。

 この行動は、やはり菅直人副総理が言ったように、憲法第15条に「公務員を選定し、これを罷免するのは国民固有の権利である」と書いてありますので、罷免する権限が国民の代表であるところの内閣(政府)にはあるわけです。個別の条文がないとしても、憲法第15条に基づいて、検察官たちで暴走している者たちを罷免すべきである。

 つまり今回の事態は、国民の多数意思でできている鳩山政権に対して、検察庁という法務省の一地方部局が反乱を起こしている。クーデターに等しいものであると私は考えます。ですから、検察官たちによる現職の国会議員たちを次々に、わずかの疑いや形式犯で逮捕までしていくという恐ろしい状況に対して、国民がその怒りを正しくぶつけて、この暴挙を阻止しなければいけないと考えます。

 鳩山首相が、1月16日の党大会の前の小沢幹事長との会談ではっきりと言ったとおり、「どうぞ戦ってください」という名言を吐いたわけです。すなわち、政府と民主党は一体化して団結して頑張っているということである。したがって、検察庁特捜部及びそれと奇妙に連携しているテレビ6社、大手新聞5社の激しい反政府行動をやめさせなければいけないと思います。

 それに対して、地方新聞(各県ごとの有力な新聞)や、通信会社である共同通信や時事通信などは、それほどおかしな報道をしていない。特に、名古屋を地盤にしている中日新聞、そしてその子会社が東京新聞であるが、ここはなるべく冷静な客観的な公平な報道をしようとしている。このことも私たちは知っておくべきだと思う。今の日本のテレビ6社、新聞5社の偏向報道のひどさは目に余る。

 そして、ここからが私の独自の分析・主張になります。どうやら大きな総司令部がワシントンにあるようだ。アメリカが背後から日本の鳩山政権、及び日本国民の意思に対して、激しい妨害行動に出ていると見なければいけない。この背景には、小沢一郎が、アメリカとの関係を相対化させて、日本がべったりとアメリカにひっつくこれまでのあり方を大きく見直そうとしていることが背景にある。これに呼応して、アメリカ駐在経験があり、骨抜きにされえいる事務方の官僚が国内で鳩山政権の政権運営、そして民主党の屋台骨である小沢一郎にたいする攻撃を仕掛けている。

 民主党の森裕子(もりゆうこ)参議院議員が、テレビの取材に対して、「これは検察をトップとする官僚機構と、われわれ国民の代表である民主党政権との全面的な戦争ですよ」と言っている。これが一番現在の鳩山・小沢政権に対する攻撃を表現する場合に正しい。そして、官僚を裏で操っているのはアメリカである。この仕組みは戦後60年以上かけて出来上がってきた仕組みで、これは「属国・日本論」の提唱者である私、副島隆彦だから言えることだ。 そして、インターネットの言論は、この「アメリカ発の対小沢攻撃」という構図をある程度受け入れてきているようだ。だから、もうそろそろ日本国民の頭のいい層の人々がはっきりと自覚しつつあるのだけれども、やはり裏で仕組んでいるのはアメリカである。

 もっとはっきりと言えば、最高司令官はジョゼフ・ナイ、ハーバード大学教授である。彼が去年の6月に駐日アメリカ大使になりそこねて、その前の3月に小沢をやっつけておけと、自分が大使として赴任するまでにやっつけておけといったことが、実行できなかった憎しみがこもっている。そして、日本国内の反米感情をたぎらせないように、自らはソフトなイメージを演出している。しかし、もともとはクリントン政権の国家諜報会議(NIC)のトップだった男であるから、油断してはならない。

 このジョゼフ・ナイとも近い共和党政権時代の高官だったマイケル・グリーン、及びその上司であった恐ろしい麻薬王のようなリチャード・アーミテージが主に日本に対する圧力をかけて回っている。カート・キャンベル国務次官補は、一応オバマ現政権内の人間なので、あまり表立った動きはできないだろうが、キャンベル次官補のカウンター・パートとなる外務官僚はアメリカの意向をおもんばかる動きに出る。

 それで、国内では、日本側の各新聞・テレビの政治部長クラスや、検察官たちが、結託している。新聞社の政治部長が会議を開いて、「小沢を徹底的につぶす」という方針で動いている。小沢一郎幹事長だけでなく、民主党政権の閣僚たちは記者会見を記者クラブ所属以外の記者以外にも開放している。これまで官僚の情報を独り占めしてきた大手新聞5社、そして二大通信社(共同通信、時事通信)の情報支配の構造を民主党が変えようとしている。これに対するメディアの危機感も大きい。

 原口一博総務大臣は、いわゆる「クロス・オーナーシップ」に対する規制(禁止)を行おうとしている。これは、例えば新聞社が放送局を支配するという資本関係を規制するというもので、これをやられて一番困るのが、日本におけるCIAの代理人である、「読売・日テレ」グループである。産経新聞もフジテレビの援助を受けなければ、今すぐにつぶれるだろう。朝日新聞もテレビ朝日だから、同じようなものだ。日テレ・読売グループが、血眼になって小沢一郎や鳩山政権を叩き潰そうとしているのは、このメディア保有規制の動きがひとつの理由である。小沢一郎の記者会見でも質問するのは、読売の記者か日テレの記者だ。

 それから、日テレは、あの「爆笑問題」というお笑いグループまで使って、大衆洗脳、世論誘導をやろうとしている。これは相当異常なことであることを私たちは理解しなければならない。一人の政治家を失脚させるために、なりふり構わない動きが出てきている。この民主党政権と官僚機構の戦いは、同時に、アメリカの代理人である読売・日テレグループと、小沢一郎の戦いである。郵政民営化問題のときに明らかになったように、メディアや広告会社は、一般国民を知能指数が低いと見ている。バラエティ番組まで動員した露骨な民主党攻撃に、いくらなんでも視聴者は誘導されないだろう、と私も思う。しかし、それでも、読売グループの思ったとおりの世論誘導が成功してしまったら、そのときは私は、「日本人もこの程度なのか」とあきらめるしかないと思っている。

 森裕子議員が言ったように、これは「オール国民対オール霞ヶ関の戦い」である。この場合、マスコミは霞ヶ関の側についている。国会議員は私たちが選挙で選んだ人たちであり、その人たちから政治権力を奪うことができるのは、予断をもった検察官の捜査ではなく、国民が選挙で投じる一票だけである。このことを理解するだけでも、日本の議会制民主主義に対する理解は大きく進歩することになる。

 この機会を逃してはならない。この去年の3月から続く、戦いの中で、アメリカがここまで自分たちの思うように操ることができている日本の官僚組織の存在が、露骨に表面に出てきた。このことことが何よりも重要なことである。

 繰り返すけれども、日本の官僚たちは、国民に選ばれた代表、すなわち議員、すなわち国民の代表たちではない。彼らは採用試験や司法試験などの国家試験に受かっただけの人々である。彼らが日本国の最高の権力を握っているのだということが、私たちの目の前にはっきりと暴かれてしまった。このことは大変いいことだと思う。

 自民党の腐った政治家たちがやってきたことは何か。それは各県の県知事や県会議員や市長たちが東京にやってきて、どこそこの橋をかけてくれとか、何とか会館をつくってくれというような陳情をやる。その50億円、100億円の金を政治家が、国土交通省や厚生労働省や財務省の局長クラスのところに、ぺこぺこ頭を下げに行って、どうか橋をつくってくださいというようなことをやって回っていたわけである。

 箇所(かしょ)づけという言葉があるのだが、どうかお金を出して橋をつくってください、道路をつくってくださいというのを、政治家がぺこぺこ頭を下げて官僚に頼みに行っていた。このことのおかしさである。これを小沢一郎が徹底的に政治主導という、政治家たちが政治をやるという国民政治の原理に戻ると主張したことは、極めて正しい。これを今、実行している最中である。それを批判する場合、自民党政権時代の政治家と官僚の関係をそのまま残していい、ということなのだろうか。

 これまでの動きで、自民党の連中は官僚たちにあごで使われてきた惨めな連中だということがよくわかった。もう崩れ果てた自民党の連中には何にも反論できない。自民党の古株の議員たちが一番分かっていることだが、アメリカが直接日本の官僚たちを操っているのである。しかも、それは財務省を頂点とするお金を握っている官僚たちだけではなくて、法務省、検察庁及び裁判官ども、及び警察、それから国税庁のようなみずから部隊を持っている役人たちを、直接アメリカが人間的に操ってきている。

 例えば、すでに述べたように、佐久間達哉特捜部長は一等書記官で、ワシントンにある日本大使館に赴任していた。そのときに相当危ないことを教え込まれ、洗脳された人々である。こういうワシントンで研修を受け、あるいは育てられた人間たちが、たくさん官僚のトップの中に今でも生き延びている。彼らが今の鳩山政権に対して激しい憎しみを覚えて、自分たちが追い落とされることを死ぬほど嫌っているということがよくわかる。この戦いの一番激しいところを私たちは今生きているわけです。

 ですが、本当はここからの話が大事です。副島隆彦は冷静に冷酷にこれからの近未来予測をやります。それは、このようになって、こうなって、こうなっていくのだという冷たい予測です。

 それは今年の11月に、恐らくバラク・オバマ大統領が辞任するのではないかということです。おそらく、健康上の理由を挙げて辞任する。その後、ヒラリー・ロダム・クリントン、現在の国務長官が大統領職を引き継ぐ。

 このオバマを追い落としてヒラリーが大統領になると、私は自分の本でももう2年前から書いてきている。オバマが大統領に当選したそのときから、次はもうヒラリーだと決まっているのであると書き出した人間です。それはヒラリーの周りにいる悪いアメリカの政治家や官僚たちが世界の属国群を操るわけですが、これが金融統制体制に入る準備をするわけです。

 そして今、オバマと奥さんのミシェルは立派な黒人たちで、シカゴ出身の立派な労働組合の幹部をやっていたフレーザー・ロビンソンさんの娘がミシェル・オバマ夫人であるが、オバマがだんだんやせ細って元気がなくなっているので、ミシェルに出てきて演説させろというような声が今、アメリカ国内で上がっています。黒人の大統領を選べというデイヴィッド・ロックフェラーと、それに助言・推薦したズビグネフ・ブレジンスキーの計画でオバマが選ばれていったわけです。そして、さっさと2年で引きずりおろせと。

 なぜかというと、大統領職4年の残り2年で、次の大統領選挙の準備をしなければいけない。その2年の準備を経験しながらヒラリーが大統領をやり、さらにその次の4年間をヒラリーが大統領をやるわけです。今年の11月には、中間選挙という大きな合衆国議会の議員の改選(入れ替え)がある。

 その前哨戦(ぜんしょうせん)となる、先週行われたマサチューセッツ州の補欠選挙では、ながらく民主党のケネディ家が守ってきた議席を、共和党の新人にかっさらわれてしまった。これは異常事態である。これで民主党は、共和党のフィリバスター(日本で言えば牛歩戦術)を阻止しうる上院での60議席を失った。これでオバマ大統領が目指している医療保険などの法律の成立がほぼ今の形では不可能になった。

 そして共和党の候補者は、前回の大統領選で副大統領候補として出馬した、サラ・ペイリンという下からはい上がってきた元気な民主保守的な女に一本化されつつある。だからもう、ポピュリストとして浮上したサラ・ペイリンが負けるように最初から仕組まれているのである。女対女の一騎打ちにさせるという図式は明らかにでき上がっている。

 アメリカ帝国が怖がっているのは、今年の秋から起きるアメリカの金融崩れ。ニューヨークの国債や株、債券、為替の市場が暴落する危険性が非常に高まっている。金融経済政策に失敗したオバマということをレーベリング(ラベリング、レッテル張りをして)、オバマを追い落として責任をとらせるという形で辞任させるというシナリオである。

 ジョー・バイデンという副大統領は、これも上院議員上がりの民主党活動家の立派な男で、通勤電車で議会に通うような男である。バイデンのような政治家は、政治力がないので一緒にやめてしまうだろう。そして、今下院議長をしている、ナンシー・ペロシという下院議長も悪い女だが辞退して、それで国務長官のヒラリーが大統領になるという図式である。だから、このときにヒラリーの周りにいる悪い高官たちが、日本だけではないのだけれども日本にも襲いかかって、金融統制体制をしく。それが怖い。この動きに対抗するためにも、いま、官僚制度に戦いを挑むことが、景気回復への道筋をつけることと同じくらい、日本の民主党政権にとってもっとも重要なことです。

 つまり、これから、アメリカだけでなく、欧米諸国では、大恐慌に突入する直前に法律をたくさん改正させて、日本の資産家や経営者たちのお金の動きを全部コンピューターで動かすのをばれるようにしてしまって、コントロールド・エコノミー(金融統制体制)に入っていく。さらには日本国民の生活統制をやるようになる。町並みや街路にまでたくさん監視カメラをつけて、国民を監視するようになる。これが一番恐ろしいことになる。

 だから、私は日本の資産家や経営者たちに、やはり今は鳩山政権を支えて、アメリカが日本に仕掛けてくる謀略政治と戦わなければいけないのだと思うわけです。経営者や資産家が怖いのは国税庁、税務署のはずだから、税務署に自分の資産状況やお金の動きを暴かれて、彼らの奴隷にされている現状と戦わなければいけないんだと。だから、官僚機構と一生懸命戦っている鳩山政権をどうしても応援してほしいと思う。

 ただし、世の中には汚い人間もたくさんいて、自分のことしか考えない人というのがたくさんいて、これも日本の金持ち層の中に、いじけた人間たちとしてかなり存在する。彼らは、アメリカの奴隷のままでいいから、自分たちの今の現状を守りたいと思い込んでいる頭の悪い人たちで、自分たちもアメリカから自分の金融資産や財産などを奪い取られていくのだというところまで頭が回らない。だから、お奉行様であるところの官僚たちにへこへこはいつくばって、自分だけ生き延びられればいいというさもしい根性をした人たちで、それが属国の支配階級というものである。

 属国の支配階級の惨めさは、アメリカ様に飼い殺しにされて、自分だけいい思いをさせてもらって、属国の庶民階級の人がひどい目に遭おうがどうだろうが知ったことじゃないという感じで、生き延びようとする人たちだ。そして彼らの言いぐさは、中国や韓国、北朝鮮と敵対する。彼らを汚らしい人間たちであるという言い方をすることで、アメリカについていたほうが日本としては安全なのだと言い続ける人々である。この件に関しては今回あまり言わないけれども、やはり東アジア人の一種としての日本人は、アジア諸国とともに生き延びていくということを本気で考えなければいけない。

 アメリカは金融経済で失敗しているから必ず崩れ果てていく。鳩山・小沢政権もかなりの危機に直面している。かつ、今年の11月には、アメリカで中間選挙と呼ばれる地方選挙や下院議員・上院議員選挙などが行われる。これでいま大勝ちしているアメリカ民主党が負ける。共和党が少し議席を伸ばす。この責任もとらされる形でオバマは追い落とされるのだ。だから、一番怖いのは金融統制体制に入っていくことだ。

 例えば、アメリカ国内に入国するときには赤外線でバッグをのぞかれて、人間の体まで透けて見えるような機械が既に導入されている。さらには、ハワイに旅行で行くときでさえ、外国人も指紋までとられるようになっている。このようなことを基本的人権に対する侵害だといって戦わなければいけない。ところが、このアメリカの監視カメラの空港での検査に、オランダやその他のヨーロッパ諸国まで諾々(だくだく)と従いつつある。

 これが世界の民衆にとっての大きな危機である。だから、お金や財産の動きを全部把握されると同じように、私たちの生活の隅々まで各国の警察や保安や、各省の官僚たちによって背番号で登録され、生活を盗み読まれていくという時代が来ることを、何としてもぎりぎりできる限りの範囲で阻止する努力をしなければいけない。

 例えば、18日に河村たかし名古屋市長が、立派な民主党の衆議院議員をしていた男であるが、彼が住基ネット法に反対して、名古屋市は住基ネットから外れると市長として宣言したわけです。すばらしい戦いを始めて、住民基本台帳ネットワーク法は、旧自治省(今の総務省)が握り締めている全国民の地方税や住民票に関する管理をする役所のものである。これと納税者番号制度。納番という形で財務省、国税庁がすべてを把握しようとする。もう一つは厚生労働省が握っているセキュリティーカード、すなわち健康保険証の番号で管理する。

 この三つの国民管理のコンピューター管理を統御して、日本人をコンピューターですべて管理しようとする。血圧や体温まで測定できるような形で、携帯電話を通して管理するというようなことまで官僚たちは考えている。これらの官僚たちの暴走を阻止できるのは、唯一国民の代表である国会議員たちである。彼ら国会議員(政治家)だけが、官僚の暴走をとめることができる。だから、私たちは今の鳩山・小沢政権を徹底的に支えて、このアメリカから崩れていき、日本までおかしくしようとしている人々と戦わなければいけないと思います。


副島隆彦拝

2010年01月28日(木) No. 1



皆さん参加しましょう!!
副島隆彦先生の決意表明がありました。
研究会のHPより引用いたします

副島隆彦です。 今日は、2010年1月23日です。
 私は決意しました。もし万が一、小沢一郎民主党幹事長を事情聴取のあとに、検察庁・東京地検特捜部が逮捕(身柄を拘束)するという事態が起きたら、私は、抗議のために地検特捜部の建物の前に行きます。そしてそこから動きません。
 このことは私の弟子たちとも相談していません。私は決断する時はひとりでします。皆さんも集まってきてください。100万人の日本国民が地検特捜部の前に結集するでしょう。彼らの暴挙(政権転覆のクーデター計画)を断じて許さない。 
私は、一本の旗を立てます。名称を「鳩山・小沢政権と共に闘う国民会議」とします。 以上、冒頭加筆おわり。 副島隆彦拝

参加いたします
副島隆彦先生!!1月22日号引用
。 副島隆彦の決意宣言。2009.1.23   ワシントンで、日本の鳩山・小沢政権を打ち倒す計画が年末から密かに練られ始めていたようだ。詳報はお待ちください。 その他、私の少し古い政治・経済の分析の文を載せます。
副島隆彦です。 今日は、2009年1月23日です。
 私は決意しました。もし万が一、小沢一郎民主党幹事長を事情聴取のあとに、検察庁・東京地検特捜部が逮捕(身柄を拘束)するという事態が起きたら、私は、抗議のために地検特捜部の建物の前に行きます。そしてそこから動きません。
 このことは私の弟子たちとも相談していません。私は決断する時はひとりでします。皆さんも集まってきてください。100万人の日本国民が地検特捜部の前に結集するでしょう。彼らの暴挙(政権転覆のクーデター計画)を断じて許さない。 
私は、一本の旗を立てます。名称を「鳩山・小沢政権と共に闘う国民会議」とします。 以上、冒頭加筆おわり。 副島隆彦拝



副島隆彦です。 今日は、2009年1月22日です。

 私たちの学問道場に、国税庁・税務署が襲いかかった5年前からの 税金裁判(正確には租税裁判) の 高等裁判所での判決が、一昨日、1月20日に、東京でありました。「控訴棄却(こうそききゃく)」すなわち、私たちの負けです。 原告は、私、副島隆彦ですから、訴外(そがい)である学問道場には、直接関係ありません。

 東京高裁での審理は一切なし。去る11月に、2分間ぐらいの一回目の「期日」(裁判)があったきりで、「次回1月20日に、判決言い渡し」と言われ、たったの一回の口頭弁論(こうとうべんろん)も無しで、すぐに結審でした。これが日本の裁判所の実態です。 ひどいものですの、一語につきます。

私たちも、今、騒がれている 政治家・小沢一郎事務所「陸山会」と同じ、政治資金の収支報告書を東京都の選挙管理委員会に提出してあったものも、証拠として出してあったのですが、それらに対しても、一顧、一瞥(いちべつ)さえしないで、原告敗訴としました。 

 高裁の裁判官たち、といっても、東大法学部を出て、エリートだと、自分たちで思い込んでいるだけの人たちであり、正義判断(せいぎはんだん、ジャスティス justeice )というものの持つ、重要な意味が分からず、国民に尊敬されるような人間たちではないものだから、法廷でも、おどおどして、ひきつった表情をしています。

 国民に尊敬されない自分たち日本の裁判官、法曹(ほうそう)が、問題なのだ、という自覚もありません。哀れな連中です。 
このあと、私たちは、最高裁判所まで、憲法訴訟を掲げて、闘います。 どうせ、一回の、法廷への呼び出しも無しに、紙切れ(判決文)を、ぺラリと、1年後ぐらいに送りつけてくるだけでしょう。 それでも、闘い続けなければなりません。

詳細は会員ページの方に、判決文その他を整理して載せます。

 それで、私は、自分のことで忙しいです(世の中の人は皆、同じです)が、アメリカから情報がありまして、首都のワシントンDCで、日本の鳩山・小沢政権を打倒する、という権力者謀議(コンスピラシー)が、年末に行われたようです。

 全体の司令官は、ジョゼフ・ナイ・ハーバード大学教授です。昨年、6月に、駐日本アメリカ大使として、赴任する予定だったのに、オバマ大統領のまわりにいる、アメリカ民主党の立派な人々に阻止されて、オバマの友人の弁護士(ジョン・ルース氏)が、アメリカ大使としてやってきました。 イギリスも、フランスも、オバマの個人的な親友が選ばれて大使になりました。

 これに怒っているのが、政治謀略でもなんでもやって、属国群を管理してきたきたない 米国務省官僚たちです。彼らは、オバマ大統領と、ミシェル夫人という立派な人間たちを、ホワイトハウスから追い落として、そして、性悪女(しょうわるおんな)のヒラリーを、早ければ、今年の年末に、遅くても、来春には、大統領にするでしょう。

 そうしないと、共和党は、あやつられているサラ・ぺイリン候補で決まりつつあるので、2012年の大統領選挙運動の開始に間に合わなくなる。そして、さらに次の4年もヒラリー大統領で行き、アメリカだけでなく、世界中に、金融統制体制、国民統制体制を敷く予定が、狂うからです。 このことは、私が、ずっと予測(予言)してきたことです。

 どうせ、今年の年末から、アメリカの景気(経済)は、大きく
崩れます。それに対応して、緊急で、たくさん国民統制の法律を作って、それで、「世界恐慌ではない」ということにする気でしょう。そのために、各国の検察庁、警察、税務署(国税庁)、地方公務員までを動員して、統制経済体制(コントロールド・エコノミー)に世界を持ち込もうとしています。

 日本の民主党の若い清新な政治家(国会議員)たちは、国民と団結して、どうか、襲い来る、この厳しい事態と闘ってください。  

 いよいよ始まった、日本の国家転覆、政権転覆の、アメリカが仕組み、日本の手先たち(検察、法務省、警察、そのほかオール官僚 と、 日本の大手テレビ・新聞そして、文春、新潮の出版社 など) の幹部たちが、この クーデター計画に、深く関わっています。 

 私たちは、用心して、もっと注意深くなって、日本国民の団結を推し進めなければならない。 そして、清廉潔白な鳩山政権を支えて、小沢一郎幹事長を守って、日本国のために、本気で戦わなければならなくなりつつあります。

 以下に載せるのは、私が10年前に書いた、本の中の一文です。 「アメリカが作って育てて操(あやつ)る日本国内の支配層」のことを書いています。

(引用はじめ)

 ・・・・日本の戦後は、アメリカの政治勢力であった「ニューディーラー」にたちによってつくられた。 これが初期のグローバリスト( globalists 地球支配主義者)である。 彼らニューディーラーたちは、1930年代のアメリカのリベラル勢力である。

 彼らの代表がフランクリン・ ルーズベルト大統領であった。そしてこのルーズベルト大統領を、抜擢し背後からあやつったのはロックフェラー財閥を中心とするニューヨークの金融・石油財界人たちである。 このニューディーラーの一部が敗戦直後にマッカーサー元師の取り巻きとして日本にも上陸した。

 この者たちによって私たち日本人は、敗戦直後から現在までずっと管理・教育されてきた。この事を英文で書くと次のようになる。

 The‘New Dealers' ( i.e the prototypical globalists ) brought into Japan with their ideas that brainwashed the Japanese people during the Occupation years.

 As a result, Japan has led a sheltered existence for the past half-century from the rest of the world in terms of prevailing political thoughts, thus creating a one- dominated ruling class.

  This ruling class then intentionally isolated the country from the outside, in order to maintain control over the japanese people.

上の英文の訳

「ニューディーラー(すなわち、グローバリストの初期の形態) が、占領時代に、日本に彼らの思想を植えつけた。 その後、それらの意図的な思想が、日本国民の思考の中に根づいた。

 だから日本は、この半世紀の間ずっと、世界中で通用している本物の政治思想や考え方から壁を作られて遮られてきた。そして国内に専制的なひとつの支配階級をつくった。 この支配層は日本国内の支配を維持するために、日本を外側世界と意思が通じない状態に置く原因をつくった。」

 この英文を、自分の友人や知人のアメリカ人やイギリス人その他の英語圏国民に見せてみとよい。 政治問題に関心のある少し知的な英米人であれば、必ずそれなりの興味深い反応を示すだろう。もし、本当に頭の良い賢明な アメリカ人であったら、「どうして、お前は、このことを知っているのだ?」 と驚かれたあとに、さらに多くの 恐るべき真実をあれこれ語ってくれるだろう。

  出典; 副島隆彦 著「日本の危機の本質」(講談社、1998年4月刊、P33〜34から)

(引用終わり)
副島隆彦です。 以上のような次第です。

以下に載せるのは、やや長いですが、かつ、内容は少しだけ古いですが、私が、年末に書いて、会員ぺージ用に載せようと思っていた、政治と経済の分析の文です。 会員でない人たちにもたまには、こういう、落ち着いた文の レポートを読んでもらおうと思いまして、ここに載せます。 

私たちは、何が起ころうも、私たちの日本国のために、誠心誠意、出来るだけのことをやって、つくしましょう。そして、いつも正しい人間としての誇りをもって、生きていましょう。 
副島隆彦拝

(転載貼り付け始め)


●財務省主計局に圧力をかけて埋蔵金を拠出させた

副島隆彦 筆

 小沢一郎民主党幹事長を最高実力者とする鳩山由紀夫政権は、脱官僚を目指した政治主導の改革を行っている。しかし、当初のシナリオからやや軌道修正を余儀なくされている。当初、民主党政権は、昨年9月の発足時点では、日本の国家資金を管轄している財務省の主計局部門 には手を出さない。

 その代わりに、厚労省や国交省の事務次官や、その直系の部下の担当局長を立て続けに更迭(こうてつ)することで利権を奪い、改革の主導権を握ろうという考えであった。この計画が狂いはじめている。

 例えば、財務省の事務次官(じむじかん)には、ほとんどの場合、主計局長(しゅけいきょくちょう)しか昇格することができない。同様に厚労省の次官も、年金課長や年金局長を経験しないと就任できない。 

 日本国民の大事な資産である年金基金(ねんきんききん)は、2年間からの米国発の金融危機によって、80兆円ほどの資金を喪失していると推測されている。その責任をいかにとらせるかが、官僚主導の行政を刷新するうえで重要な焦点になっている。このため、同省の次官や局長を更迭することはかなり大きな意義がある。

 民主党が2009年8月30日の総選挙で圧勝し、民主党政権が成立することは確実視されていた。昨年7月の状況の中で、財務省主計局の官僚たちは、総選挙に先立つ、2009年7月の人事で、杉本和行(すぎもとかずゆき)次官をさっさと勇退させて丹呉泰健(たんごやすたけ)主計局長を後継次官に昇格させた。

 また同時に、米国への“資金貢)(みつ)ぎ係” である 国際金融局(こくさいきんゆうきょく、現・国際局)の人事でも、篠原尚之(しのはらなおゆき)財務官が国外に逃げるように退任して、IMFの副専務理事になることで、 玉木林太郎(通称「タマリン」)局長を財務官(ざいむかん)に昇格させることで、小沢幹事長に対して“恭順の意”を示した。

 小泉純一郎元首相の側近だった丹呉新次官 と、2009年2月14日のローマでの先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議の際に中川昭一財務相(いずれも当時)に薬を盛って陥れた玉木新財務官の、“ふたつの首”を、お盆の上に載せて「どうぞ首をきってください(そのかわり、他には手をつけないでください)」と差し出したのである。

 既に2009年9月21日には、斎藤次郎(さいとうじろう、通称「デンスケ」 )元次官が日本郵政の社長に、そして彼の直系の“子分”である坂篤朗(さかあつろう)元主計官(元内閣官房副長官補 ) が副社長に就任していた。 同様に子分である勝栄二郎(かつえいじろう)主計局長を、次の事務次官(財務省のトップ)に昇格させる手筈(てはす)っていた。 そうすることで鳩山民主党政権は、斎藤社長を中心とする旧財務省主計局の勢力と提携しようとした。

 民主党政権が、どうして官僚権力の“中枢”ともいうべき財務省主計局の勢力と提携したのか。それは、“財務省の裏切り者”である高橋洋一(たかはしよういち)元東洋大学教授 が暴露した、75兆円もの「霞が関埋蔵金」の所在(ありか)が、主計局勢力の中でも、斎藤元次官を中心とする系列の者にしかわ分からないからだ。 

 とりわけ郵便貯金や簡易保険の資金の一部は特別会計に回っているので、斎藤次郎や坂篤朗らを日本郵政の社長、副社長の要職に就けることで、民主党陣営に取り込み、時間をかけてじっくり資金の所在を聞き出そうとしたのである。

 そこで、民主党側は、主計局の勢力と当初は妥協するにあたり、細川護煕政権で大蔵大臣を務め、高齢で政界から引退することになっていた藤井裕久(ふじいひろひさ)代議士を、2009年8月30日の衆院総選挙での、比例区名簿で一位につけ衆院議員の地位を維持したうえで、鳩山内閣の財務相に起用した。

 藤井財務相は、財務省主計官出身で、大蔵官僚から政界に転身しており、若手の官僚や財務省出身政治家の“ご養育係”のような存在だ。こうした人物を起用したところに主計局の勢力と妥協したことがうかがえる。

 ところが、年末に2010年度の予算を策定するにあたり、景気が急激に落ち込んだため、税収が36兆円と、予定より10兆円も激減したことが誤算となった。景気の悪化に伴う税収の急激な落ち込みは、麻生太郎前自民・公明連立政権の責任だ。だから鳩山政権は、総選挙で掲げたマニフェストを満足に実行できなくなってしまった。

 それでも、とにかく予算を組まなければならない(専門用語で「予算を上げる」という)ので、小沢幹事長の意向を受けた亀井静香郵政改革・金融担当相が、勝(かつ)主計局長に対して、更迭をちらつかせて圧力をかけ、なんとか埋蔵金の中から15兆円もの資金を拠出させることに成功した。

 それによってガソリンの暫定税率は維持せざるを得なかったものの(ガソリンは今は暴騰していないので国民生活に困らない)、子供手当てを全家庭に支給するのに必要な約2兆4,000億円分を確保し、44兆円の国債発行枠をも守ることができた。

 主計局の勢力の“裏切り者”である高橋元東洋大学教授は、75兆円もの埋蔵金の存在を暴露した著書『恐慌は日本の大チャンス』(講談社)の中で次のように述べている。

 「予算は締め切りが来れば必ず策定できるのだが、予算策定の方法は、 赤字国債の発行、 予算要求の内容の組み換え、 埋蔵金の使用、と三つの手法がある」

 としている。このうち、△砲弔い討蓮∋業仕分けで3兆円削減する予定だったが、実際の削減額は1兆円にも満たなかった(当初の目標がわずかに3兆円に過ぎなかったように、どちらかといえばパフォーマンスの色彩が強かった)。 一時、赤字国債を発行することも検討されたが、結局44兆円もの国債発行枠を維持することになった。

 当初の予定が狂ってしまい、とにかく性急に強引に特別会計から埋蔵金を拠出させようとしたので、主計局の勢力には強硬な圧力がかかることになった。斎藤日本郵政社長を中心とするごく少人数しかその所在を知らない。このため、若手の主計官の間では「ないと言っているのに‥‥」といった悲鳴が上がった。

 若手主計官たちの悲鳴が藤井財務相(当時)の耳に入ってきたので、彼は嫌気が差した。辞任表明の背景には自身の体調の問題が表向きの理由とされ、多くのメディアは小沢幹事長の圧力を指摘する論調が多いが虚偽の報道である。それは藤井氏本人が、中日新聞等で、明確に否定している。

 高橋洋一氏が指摘した埋蔵金の残りはまだあと30兆円ほど残っている。だから鳩山政権は、国民の一般家計にこの資金を使おうと決意を固めているようだ。それで菅直人副総理が、財務大臣になってその陣頭に立つことになった。

 当初の予定では、斎藤社長を中心とする勢力を、“なだめすかす”ことでじっくり引き出そうとしていた。しかし勝主計局長に圧力をかけて出させたために、財務省主計局が委縮して容易にはその所在先を明らかにしなくなっている。この意味では難しい局面になってきている。

 しかし、この埋蔵金からの予算ねん出に他に、郵貯・簡保資金を、直接、増発する国債の購入に回すことで、実質的に直接、埋蔵金の残りを国家予算に組み入れることができるのではないか。

 郵貯資金は今も自然に増えている。これで国債を買い続ければ、貧しい国民層に向けて直接の給付金(子供手当や、農民支援金など)の政策を推進して予算規模を100兆円にまで大きくしてもいい。今はケインズ政策(財政出動)を愚直に実行して政府が国民を助ける時期である。日本は圧倒的な貯蓄超過大国なので、マクロ経済的には問題はない。

 日本経済は、(景気落ち込みの)“二番底”に陥る懸念がささやかれているが、これは、再度の次のアメリカ発の金融危機によって世界的に起きることであるから日本だけに起こる事態ではない。年末に予算をすでに成立させたことから、ある程度は下支えされることが期待できる。

 2兆4,000億円の子供手当ての多くは、生活がそれほど楽ではない一般家庭に直接、支給されるので、そのすべてが消費に回ると思われるからその分も需要を喚起する。 

 日本経済はこれまで、大企業が米国を中心に輸出を伸ばすことで成長率を維持してきた。しかし、今や米国が世界の大消費基地ではなくなっている。このことは北米での自動車の売り上げが急激に落ちていることに表れている。年間1200万台だったアメリカの新車が800万台にまで落ちており、中国に抜かれることが確実になった。だから輸出に頼るよりも、日本国内の家計の消費意欲が出てくるような政策を打ち出すことで景気下支えや浮揚を図っていくのが当然のことだ。

 輸出主導 の景気回復では、大企業ばかりが高収益を計上して、かつ、そのかなりの部分が金融機関に預けられ、米国内に滞留して、米国を中心とする海外の金融市場で運用されている。その結果、多くの一般国民には景気回復の恩恵が回りにくい。これに対し、多くの一般国民が恩恵を受けるような内需主導を目指す対策は、今の日本にとって大変に望ましいものである。

 消費活動が少しでも盛り上がれば、使われた資金が回っていく。その結果、有効需要がさらに創出されていく。自民党の景気対策は公共事業を増やすことだが、それでは国が発注する際に初期投資としての需要が出るものの、家計の消費意欲が停滞しているのでケインズ経済学でいうところの乗数効果がそれほど期待できず、あまり景気は浮揚していかない。ところが、多くの家計が消費をするような政策を打ち出せば乗数効果が高まるので、それだけ多くの有効需要を創出することができるわけだ。

 民主党の景気対策は、業者や管轄する機関を通さずに、家計に直接資金を供与することで生活を支援していき、内需の浮揚を図っていくことで徹底している。農家への対策としては、自民党なら農水省の巨大な天下り先であり、重要な集票基盤である農業協同組合(農協)を介すことになるが、それでは農協が中抜きをして、農家にはごくわずかしかお金が行き渡らない。

 民主党は選挙前に個別所得保障を公約して直接資金を渡すことにしたため、今では地方圏での農家の多くは民主党支持に傾いているようだ。

 同様に、自民党は、景気対策では、公共事業が中心になるので、“土建屋”といわれる建設業者を支援していた。ところが、現在の鳩山政権では景気対策の策定をめぐり、亀井郵政・金融相がその公共事業費の増額を求めて、菅直人国家戦略担当相、仙谷由人(せんごくよしと)行政刷新担当相(いずれも当時)と対立した。民主党の議員の多くは、そうした公共事業中心の景気対策には否定的である。

 建設業者は全国に50万社ほどあるが、前原誠司国交相が既に実質的に機能していない業者がそのうち20万社ほども占めているので、そうしたところはむしろ早く整理していく意向を示している。年間の売り上げが、100万円もないのに建設業者を名乗っているところがかなりあるので、そうしたところを助けても意味がないというわけだ。

● 金融恐慌への対処で統制経済化が不可避に

 今回の予算の策定では、総選挙の際に公約したマニフェストを完全に守ることができず、国債発行額も飛躍的に積み上がったので非難する向きが多い。金融市場でもそうしたことが悲観的に解釈され、円安が進んだ一因とされている。

 これは、2009年11月20日に、菅国家戦略相(当時)がデフレ宣言を発したことによるところが大きい。この時、「不況」を宣言していれば、財政出動による景気対策を策定するだけで済んだはずだ。しかし、物価の継続的な下落現象を意味する「デフレ」と表現したため、通貨価値の安定を目指して金融政策を扱っている日銀の責任になってしまったのである。

 おりしも、当時、米国ではティモシー・ガイトナー財務長官やベン・バーナンキFRB議長が、さらに活発に投機筋にドル・キャリー取引を行わせて株価を引き上げようとしていた。2008年9月15日のリーマン・ショックに端を発する金融危機が、2009年3月には一応収束したものの、金融機関の財務内容が悪化し続けていたなかで、増資をさせるには株高が進むのが望ましかった。

 そこで米国市場が休場だった2009年11月26日のサンクスギビング・デー(感謝祭)に合わせて、意図的にドバイ・ショックを引き起こし、日銀やECBにもさらなる追加金融緩和策を実行させることで、株高を後押しさせようとしていた。

 ドバイ向け債権は欧州の銀行勢が大量に抱えていたため、危機を受けてドル安だけでなくユーロ安も進み、円独歩高となって、翌日の2009年11月27日には、1ドル=84円台後半に一気に円高が進んでしまった。それにより、日銀は、2009年12月1日に、臨時の金融政策決定会合を開催し、追加金融緩和策に動かざるを得なくなってしまった。

 ただ、日銀が米国の意向に追随せざるを得ない状況に追い込まれたのに対し、ECBは従わなかった。ドバイ・ショックの直後の2009年12月3日の理事会では、1年物の資金供給を年内に取り止めることを示唆するなど、「出口戦略」に踏み出し、会見ではジャンクロード・トリシェ総裁がドル高を望む姿勢を示した。

 その報復として、米財務省やFRBとつながっている格付け機関が、ギリシャをはじめ複数のユーロ圏加盟国の格下げに動いたことから、一時ユーロ安が進んだ。ただ、FRBとしてはECBが出口に向けて動き出す以上、それに歩調を合わせないと米国への資金流入に支障を来してしまうので、2009年12月15〜16日のFOMC(連邦公開市場委員会)では、自らも多くの資金供給策を、2010年2月1日で中止することを決めなければならなくなってしまった。

 ただ、それでも日銀が量的緩和策を強化したことから、株高をさらに推進する目的は達成されている。2009年12月4日に11月の雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比1万1,000人の減少にとどまるなど、意図的とも思えるような良好な景気指標が相次いで発表された。

 FRBが出口戦略を打ち出したこともあって市場では将来的に利上げ観測が強まったことから、円安・ドル高が進むことにより株式をはじめリスク性資産にさらに資金が流入していった。本当は利上げなど議論できる状況ではないため、そのうち修正局面になるとその反動が到来しそうだが、日銀が緩和策に動いたことで当面は米国の政策当局の“思う壺”となっている。

 とはいえ、株価を引き上げて金融機関に大規模な資本調達をさせても、デリバティブ取引がピーク時には800兆ドル(8京円)を超えていたように、本来的に抱えている不良資産の規模はまさに天文学的なものだ。

 自力で増資するだけでは到底問題を解決できるわけがなく、単に問題の解決を先送りにしているに過ぎない。本当に問題を解決するには、まず金融機関相互で焦げ付いた契約そのものを打ち消しあう“抜け解け合い”をする必要がある。そのうえで、最終的に残ったものを金融機関本体から別機関に分離して公的資金で買い上げ、さらに金融機関にも公的資金を注入して自己資本を強化し、財務内容が健全化することでようやく終了する。

 ところが、その第一段階となる抜け解け合いをすることが非常に困難である。例えば、2008年9月15日に、証券大手リーマン・ブラザーズが破綻した際に、同社関連のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)をどのように処理するかが問題となった。この取引は、企業が発行する社債を購入して運用するにあたり、発行体の企業が破綻して元本が焦げ付くリスクを保証するものだ。

 デリバティブ取引が当初のリスク・ヘッジを目的としたものからさらに投機目的で天文学的に普及していったなかで、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)を最大手とする保険会社は手数料収入が得られるので無尽蔵に発行したのである。

 ところが、リーマンが破綻したことで、CDSの発行元である保険会社が巨大な支払い義務を負ってしまい、AIGも一気に連鎖破綻して国有化されてしまった。この時には、リーマン関連のCDSの保有者の金融機関が集まって互いに契約そのものを打ち消したことから、最終的な損失額はわずかに8%超で済んだ経緯がある。

 こうした取引は「1対1」での相対によるものであり、相手がはっきりしていることから、双方が合意すれば容易に契約そのものを打ち消すことができた。しかし、デリバティブ取引で非常に多く出回っている債務担保証券(CDO)については、民間金融機関相互の交渉で解決することはまず不可能である。

 米国では日本とは異なり直接金融主体なので証券化(セキュリタイゼーション)が発展しており、住宅や消費者、学資といった各ローンが証券化されて出回っている。

 これを資産担保証券(ABS)といい、昨今の金融危機を引き起こした住宅ローン担保証券(RMBS)や商業用不動産ローン担保証券(CMBS)といったものが含まれている。金融工学の発達により、これらのローンが細分化されて他の金融商品と混ぜ合わされて加工されたものがCDOである。

 金融危機は当初、「サブプライム問題」といわれたように、移民の多いヒスパニック系を中心とする低所得者層向け住宅ローンであるサブプライムローンが焦げ付いたことで引き起こされた。このローンは、全米で住宅ローンの残高が13兆ドルほどあるうちのわずかに1兆4,000億ドルと、年間GDP13兆〜14兆ドルの、たかだか10分の1程度に過ぎない。

 このため、多くのエコノミストや金融アナリストの間では、危機が起こった当初はそれほど大きな被害に発展することはないといった見方が一般的だった。しかし、それが巨大な危機に発展したのは、それらを組み込んだCDOがすべて無価値になってしまったことにより、不良資産が著しく積み上がってしまったからである。

 しかも、厄介なことに、このCDOは、多くの金融商品を混ぜ合わせて組成されたものであるため、民間金融機関の間ではCDSのように契約そのものを容易に打ち消すことができない。1対1での相対取引とは異なり、多くの金融商品が混ぜ合わされて組成されたものであるため、どの金融商品に腐ったものがあるのかまったく見当がつかないことから、双方の合意により契約を打ち消すことができないのである。

 このため、これらのCDOのかなりの部分を打ち消すには、統制された権力の下で、一元的に対処しなければ不可能である。このため、金融危機を最終的に終了させるには、近いうちに統制権力体制への移行は不可避と見るべきである。

 統制権力体制への移行は、不況を克服するうえで巨大なケインズ政策ともいうべき軍需を創出するためにも不可欠なものだ。ごく最近では、2000年初頭の新興株を主体とするITバブルの崩壊による不況克服策として、ジョージ・ブッシュ前政権下で、ネオコン派主導で、2001年10月にアフガニスタン戦争が、2003年3月にイラク戦争が行われている。

 両戦争は2001年の「9.11同時多発テロ事件」を受けた対テロ戦争が戦争に突入していく大義名分とされたが、当時は強力な言論統制が敷かれて、米国人がこの事件への疑惑を追及すると必ず社会的制裁を受けたものだ。

 ただ、規模の面で現在の金融危機に匹敵するのはやはり1930年代の大恐慌であり、当時、スイスに駐在していたジョン・フォスター・ダレス元国務長官(ドワイト・アイゼンハワー政権)がナチスのアドルフ・ヒトラー総統を操り、米国でもフランクリン・D・ルーズベルト政権の策謀で、第二次世界大戦が意図的に引き起こされ、それにより世界経済は巨大な景気の落ち込みから脱することができた。

 これから「第三次世界大戦」が引き起こされるとは思わないが、地域戦争としては中東や中央アジアで、あるいはインドとパキスタンといった紛争の火種が至るところで散見される。そうした地域で紛争当事者の双方を煽って双方に兵器を売りつけ、軍需産業が業績を伸ばしていくのは容易に推測できる。いうまでもなく、最新鋭兵器の多くは日本製の精巧で極少な部品が組み込まれているため、日本の製造業も多大な恩恵を受けることになる。

● ネオコーポラティズムの概念が重要になってくる

 そこで「コーポラティズム」あるいは「ネオコーポラティズム」といった政治思想、政治体制論が重要になってくる。私はかなり以前から金融統制体制に移行していくと悲観的なことを主張していた。

 日本で小沢幹事長主導による鳩山政権が成立したため情勢が変わり、やや楽観的な見方に変わっていた。ところが、米国でバラク・オバマ政権が崩壊し、任期途中でヒラリー・クリントン現国務長官が大統領に昇格して新政権が成立すると、どうしてもその余波が日本に波及して厳しい情勢にならざるを得ないだろう。

 現在でも普天間基地移設問題をめぐり米国と難しい問題を抱えており、移設をめぐり資金を貢がされるといった問題は、当然のことながら今後も続いていくだろう。それだけでなく、さらに金融経済面で国民経済に対する締め付けが強まり、国民生活への監視体制にまで至るような状況になっていくだろう。まさに、1937(昭和12)年以降の戦争動員体制のような経済統制体制に突入していくという問題が視野に入ってこざるを得ない。

 米国では、2008年3月半ばのベアー・スターンズの実質破綻までの金融危機の第一波に続き、同年9月15日のリーマンの破綻を契機とする第二波が起こった。現在では小康状態が続いているが、それは時価会計の適用を大幅に緩和し、各部分について“恣意的”に実施してもしなくても良いようにしたからだ。

 それにより、シティ・グループやバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)、モルガン・スタンレーといった問題金融機関は貸借対照表上での「資産」の部でそれを適用せず、「負債」の部だけで適用することで損益計算書での当期利益を計上している。

 しかし、そうしたなかでも、アメリカ国内の地銀の破綻が増加傾向にあるのに見られるように商業用不動産市況が下げ続けており、さらに優良顧客層向けの住宅ローンであるプライムローンの焦げ付きも増えているため、大手金融機関の間でも不良資産がさらに累増しているのは間違いない。そのうち、危機の第三波が到来するのは避けられない。

 それにより米株価が急落し、それが全世界的に波及していくことで、オバマ現大統領が責任をとらされて辞任せざるを得なくなり、クリントン現国務長官に交代していくことが予想される。2012年の大統領選挙では、クリントン現職候補に対し、共和党からは前回の選挙戦で副大統領候補だったサラ・ペイリン前アラスカ州知事が対戦する構図になりそうだ。

 ペイリン前知事はリバータリアンであり、下から這い上がってきた貧乏人層出身の活動的な人物なので、反連邦主義者(アンチ・フェデラリスト)=反中央集権主義者である。あえてこうした人物を共和党の候補者に据えることで、クリントン現長官が圧勝する筋書きが仕組まれることになるわけだ。
 
 共和党は本来、“上品な”中小企業や大規模農場の経営者が支持していた政党であり、いわば“カントリー・クラブ”のような性格が強い。ニューヨークの金融財界や石油財閥と一体化し、米国の覇権国化とともに世界支配を目論んでいった大企業のオーナーや経営者といったグローバリスト系に対し、米国内で堅実に生きていけばいいといった思想が共和党内では今でも根強い。

 こうした思想を「アイソレーショニズム」といい、かつてチャールズ・リンドバーグが「アメリカ・ファースト」と表現したように、本来的には「米国内優先主義」と訳すべきものだ。

 米国はあくまでも米国のことだけを考えればいいのであり、金融業や軍需産業のように世界規模で進出することに反対する傾向がある。ただ、こうした思想は、伝統的な共和党の保守思想ではあっても現在では主流であるとはいえないため、大手メディアをはじめ多くの支持を得られず、選挙戦では勝利できるわけがない。

 オバマ大統領が辞任した後、ヒラリー・クリントン国務長官が任期途中で大統領に就任し、次の選挙戦でも圧勝する。その後も4年間、ヒラリー・クリントンは、デイヴィッド・ロックフェラーの意向を受けて統制経済体制を強めていくことが予想される。米国では、こうした体制に少なくともこれから2年以内に突き進んでいくため、日本では小沢幹事長が主導権を握っている民主党主導の現政権は大きな試練に立たされざるを得ない。

 おそらく、鳩山現政権は今年夏の参院選まで存続すると見ているが、9月頃には次期政権に交代する可能性がある。それでも民主党主導の政権自体は今後も続くので、米国と厳しい関係になっていかざるを得ない。

 現在の民主党主導の鳩山政権は、トヨタ自動車出身の直嶋正行(なおしままさゆき)経産相や松下電器産業出身の平野博文(ひらのひろふみ)官房長官が閣僚の中枢部門を占めているように、日本を代表する世界的な大企業の労働組合の支持を得ている。

 巨大な輸出大企業の“技術屋”を中心に、日本が、世界的に巨大な付加価値を提供し、国内経済を牽引している勢力によって運営されている。本来、宗教団体と労働組合は、全国的な政治運営を行ってはいけないのだが、日本経済の秩序を考えると、健全な国家体制といえる。

 欧州では「社会民主主義(ソーシャル・デモクラシー)」という伝統的な政治思想があり、これは、労働組合の活動を主体に全国民の幸福を追求するものだ。そして、実は、社会民主主義は、「ネオコーポラティズム」の政治思想の流派に属する。

 端的にいえば、これは「開発独裁」と表現すれば最も理解しやすいだろう。韓国の朴正熙(パク・チョンヒ)政権や台湾の李登輝政権、マレーシアのモハマド・マハティール政権、シンガポールのリー・クアンユー政権といった事例が挙げられる。

 開発独裁とは、独裁政権ではあるものの、国民の活力や各産業部門への国家規模での集中的な投資を国家政策として、全体を統合して高度経済成長を追及する政治体制といえる。現在でも、ロシアのウラディーミル・プーチン、ドミトリー・メドベージェフ政権は開発独裁型といえる。中国で小平が1978年に改革開放政策を始めて以降の「社会主義的市場経済」も、政治思想的にはこの形態に属するといえる。

 開発独裁は、戦後のアジアでの高度成長を成功させた政治システムだが、政治思想としては第二次世界大戦直前から戦中にかけて、イタリアで独裁政権を握ったファシスト党のベニート・ムッソリーニが発端であり、それを尊敬していたのが同時期のドイツのアドルフ・ヒトラーが率いた国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)だった。

 ヒトラーはともかく、ムッソリーニは今でも欧州ではかなり尊敬されており、“本物のイタリア人”の間では最も慕われているといって過言ではない。第二次大戦中、米国はイタリアを攻撃するにあたり、この地域出身のマフィアの“ボス”のラッキー・ルチアーノを介して、南部シチリア島からジョージ・パットン将軍率いる第5軍が攻め上がってムッソリーニ政権を攻略している。

 米軍は、港湾での荷揚げ作業に携わる“沖仲し”の労働力を動員するうえで、こうした勢力を配下に置いているマフィアと提携することが多かった。日本でも、山口組の田岡一雄3代目組長が米国と提携したことにより、“ヤクザ世界”で全国制覇を成し遂げたのと同じようなものだ。

 ネオコーポラティズム論が恐ろしいのは、労働組合を中心に国民各階層を動員していくエネルギーを形成することだ。カリスマ的な指導者の下に国家資源をすべて最も効率よく集中して配分することで、大きな成長経済を達成することができる。

 これから米国では、クリントン政権下でそれに類似した政治体制に移行することで、2007年のサブプライム問題から始まった金融恐慌が世界恐慌に発展していくのを、“形式上”食い止めていこうとするだろう。

 1930年代の「大恐慌」時代にルーズベルト政権が行ったことと同じような政治体制を、クリントン政権は目指すことになるわけだ。国内的には、労働者階級をはじめ低所得者層や貧民層の生活を支援する姿勢を見せながら、富裕層の財産権や大企業の経営者の経営権を侵害する形で、産業部門ごとに国家統制経済体制に移行していくことになる。日本では、1937年に電力や鉄鋼、石炭等の国有化が推進されたが、それと似たような状況が押し寄せるだろう。

● ネオコーポラティズムの潮流が日本にも押し寄せる

 そうした潮流が日本にも押し寄せてくるのは避けられないことであり、それを私は最も危惧している。私は現在の小沢幹事長が主導権を握る現政権を、国民運動を起こしてでも徹底的に支援していこうと思っている。とはいえ、日本は、米国の情勢の変化に応じて、恐慌への突入を阻止するための統制的な体制への移行についての法律が制定される事態をどうしても想定せざるを得ない。

 私は、小沢幹事長が主導権を握る政権を支えていく。しかし、これから変化していくであろう政府や国家体制を、支持するわけにはいかない。今のうちに、国民に選ばれているわけではなく、試験に合格しただけで、天皇の直属の官吏だと思い込んでいる官僚の勢力をできる限り叩きのめしておくことが重要だと考えている。

 また、属国支配をするうえで国民全体を洗脳するために、米CIAが育ててきたことが如実に明らかになってきた日本のテレビ局を有する大手メディア6社体制を、できる限り打撃を与えておくことが必要だ。

 例えば、ビジネスマンが購読している日本経済新聞は、小泉元首相の“ポン友”といわれる杉田亮毅(すぎたりょうき)社長が強大な権限を握っている。日経新聞に小泉・竹中構造改革路線の推進を主張する論調が多いのを見ればわかる。他の一般紙では、最も発行部数が多い読売新聞は、ヘンリー・キッシンジャー元国務長官につらなる中曽根康弘元首相の盟友である渡辺恒雄(通称ナベツネ)会長が、また日本テレビ放送網も氏家齊一郎(うじいえせいいちろう)会長がともに、現在83歳の高齢にもかかわらず、強大な影響力を誇っている。

 創業者で警察官僚出身であり、CIAの意向で動いていたことが明らかになっている正力松太郎(しょうりきまつたろう)元会長から親米路線を忠実に受け継いでいる。

 フジサンケイグループはフジテレビジョンの日枝久(ひえだひさし)会長や産経新聞の住田良能(すみだながよし)社長が、鳩山政権が続くと自分たちが潰されるといった恐怖感から、公平性や中立性を放棄し、憎しみを込めた報道しかできなくなっている。

 左派・リベラル色が強い朝日新聞も、デイヴィッド・ロックフェラーの直系の子分である船橋洋一(ふなばしよういち)主筆が編集面での権限をすべて握っており、西松建設の献金問題をかなり以前から報道するなど小沢幹事長への攻撃を行っている。

 NHK(日本放送協会)は必ずしも親米的ではないが、それでも海老沢勝二(えびさわかつじ)元会長が不祥事で辞任したとはいえ、依然として竹下登元首相につらなる系列が強い。

 そして最近、資金管理団体の「陸山会」の土地購入問題で最も先鋭的に批判的な報道をしている毎日新聞やTBS(東京放送)は、創価学会系だ。その背後には、民主党の献金団体である立正佼成会と対立色を強め、池田大作名誉会長がデイヴィッド・ロックフェラーに接近している事情がありそうだ。

 ただし、こうした大手メディアは、小沢幹事長や鳩山政権に対して批判的な報道を繰り広げているものの、米国からの指令や支援により動いているのではなく、あくまでも独自に報道しているに過ぎないと見ている。と言うことは、鳩山政権や小沢幹事長は表面的には偏向した報道による攻撃で窮地に立たされているように見えながら、実際には有利な情勢にあるともいえる。

 沖縄の普天間基地移設問題をめぐりリチャード・アーミテージ元国務副長官やマイケル・グリーン元NSC(国家安全保障会議)上級アジア部長といった“知日派”とされる元米外交官が日本経済新聞の招待で来日し、現政権批判を繰り広げるといった事例が見られる。

 とはいえ、日本の現政権は対米関係ではオバマ政権と交渉するのであり、相手にする必要はない。ただし、カート・キャンベル元国防副次官補が東アジア・太平洋担当の国務次官補に就任したので、相手にしなければならないのは厄介だが。

 ところで、ネオコーポラティズムは、別の側面から見れば金融寡占支配という意味合いもある。これはマルクス経済学の流れであり、政治思想的には、ベーム・バベルクの批判に対する“反批判”を行ったルドルフ・ヒルファーディングの金融資本論から始まるものだ。

 金融資本論を簡単に説明すると次のようになる。マルクス主義経済学によると資本主義経済はやがて寡占や独占の過程に至るとされるが、各産業部門の上位に君臨する重化学工業部門のさらに上位の大銀行によるコンツェルンのような寡頭支配体制が形成され、それが国家体制をも支配するようになるというものだ。 

 日本では労農派(左派)のマルクス主義経済学者である向坂逸郎(さきさかいつろう)らが、「国家独占資本主義」という言葉を用いたが、それがまさしくネオコーポラティズムという政治体制と表裏関係にある。ネオコーポラティズムは、構造改革派の思想である。

 そして、政治革命としての社会主義革命はあり得ないのであり、人類がすべて平等になることはないといったことがはっきりした時点で、ネオコーポラティズムが出現したのだ。

 ただ、そうした構造改革派の思想さえも、カリスマ的な指導者を戴く国民成長経済モデルの開発独裁体制に組み込まれていく、という恐怖がどうしても存在する。世界的な金融恐慌を阻止するため、より正確には、隠蔽して何事もなかったかのように自由社会が継続していくように見せるために、ネオコーポラティズムは必要な政治体制といえる。

 小沢一郎というカリスマ性があり、優れた指導者が亡くなった後に(おそらく、これから3年もかからないだろう)、それを引き継ぐだけの人材が現れるかといったことを、私はかなり危惧している。現幹事長と同等の頭脳や人格、知力や体力のある人材が現れることを私は待ち望んでいる。

 このため、個人的には「日本型ムッソリーニ」とでも呼び得るようなカリスマ的な人材が出現することに対し、必ずしも否定的ではない。日本国民は国内に立て籠もり、優れた指導者の下で団結して生き延びればいいのであり、またその能力がある。日本の製造業は世界で最も優秀なので、自由貿易体制が維持される限り輸出して多くの外貨を稼ぐことができるからだ。

 ところが、フランスの反ネオコン、反グローバリストの知識人として台頭していたエマニュエル・トッドが『帝国以後』を著している。そのなかで、欧州(EU)は自由貿易体制を廃止すべきだと主張している。それは主に中東地域との関係もあるが、反米志向もあり、ブロック経済化の進展が不可避なので欧州が自立を目指すべきだというものだ。この人物は、かつては旧ソ連の崩壊を、そして今回は米国の金融危機を予測したといわれているが、私には欧州帝国主義者にしか見えない。

 私は、米国の世界覇権が後退していくという見方では一致するものの、チャールズ・キンドルバーガーが「インターレグナム(大空位期)」と呼んだような、多極化理論やブロック経済化が進むといった見方を排除している。そうではなく、BRICsといわれる新興4大国がこれからは世界を指導していくと見ている。

 国際会議で各国の首脳が集まった際に、ブラジルのルラ・ダシルバ大統領やロシアのメドベージェフ大統領、インドのマンモハン・シン首相、そして中国の胡錦涛国家主席の4カ国の首脳が目配せし合っている様子を見ると、これらの国々による世界の管理体制の構築が着々と進んでいることがうかがえる。

 2009年6月16日に、ロシアのエカテリンブルクでこの4カ国による首脳会議が開かれたのは、その第一歩といえるだろう。これから米国で金融恐慌が起こることで、2012年ごろにはドル基軸通貨体制が劇的に崩壊していくだろう。

 ただ、ネオコーポラティズム体制が世界的な潮流になるにあたり、その影響で日本国内でも統制経済体制が強まる際の態度のとり方に、私は個人的に苦慮している。米国内で現在隆盛している経済学の3大経済学といえば、ケインズ主義、マネタリズム、オーストリア学派である。この最後の学派は、ルードヴィヒ・フォン・ミーゼスに始まるものであり、市場原理主義者とでもいうべき資本主義の崇拝者のような派閥であり、統制の動きに徹底的に反対している。

 金融危機が起こると金融システムが麻痺して経済活動が破壊されるリスクが出てくることから、一般的には大銀行の救済はやむを得ないこととして当然のことのようにいわれるが、オーストリア学派はそうしたことにも反対している。

 大銀行の経営者や株主に責任をとらせて破綻させるべきであり、一般の従業員や預金者も相応の責任を負っているのだから救済する必要はないといったことを求めている。それ以外にもあらゆる規制に反対し、さらには「FRB」というおかしな捏造された中央銀行を解体せよと主張している。

 また、オーストリア学派を信奉する経済学者の間には、ジョゼフ・シュンペーターのように、いくつかの期間のサイクルから構成される経済波動循環論を原理としている一群も存在している。こうした一群も、不景気が生じると調整されるべきものが調整されないと景気が回復軌道には乗らないのであり、景気対策を実施すると調整が遅れてしまうのでどれほど大きな不況が到来しても対策を行うべきではないと主張していた。

 とはいえ、こうしたオーストリア学派の主張は、それ自体は正しいが、その見解をまともに採用すると経済秩序だけでなく政治体制をも崩壊してしまいかねない。このため、やはり望ましい経済政策はケインズ主義型なのであり、いたずらに経済秩序を崩壊させてしまい、ネオコーポラティズム的で国家管理的な統治体制を成立させてはいけない。

 現実的には高級公務員たちによる国民生活の監視をさせないようにし、また個人の財産権を侵害しないような政治体制を維持しなければならない。官僚が強大な権力を保持し続けると、いろいろな法律を勝手に変え、新しく作成することで国民生活への統制を強めることになりかねない。そのため、国家統制体制に向かわないようにするためには、政治主導の改革を推進して官僚の権力を弱体化させなければならない。

 とはいえ、国内問題としては政治主導の改革を推進していけばいいが、大きな潮流としては、ロックフェラー財閥の傀儡である、ヒラリー・クリントン政権下の米国が圧力をかけてくることが想定されるため、国内での取り組みでは限界がある。そこで生き延びるためには、日本はどうしても中国に接近していくという戦略を採らざるを得ない。

 実際、鳩山政権を支えているトヨタ自動車や松下電器産業は、中国をはじめアジア圏で生産・販売体制を構築して利益を上げていくという経営姿勢を明確に選択している。こうした事例に見られるように、日本の1,200社に及ぶ大企業は、中国をはじめアジア中華圏を主戦場にしないと経営が成り立たなくなっている。

 こうしたことから、中国に対する敵対的な行動はさせない、というのが日本国内の主流派の言論になりつつある。私も中国との友好を促進しながら、日本の大企業が、政府間協定で必要な技術を中国に提供することで利益を上げて生き延びている現在の状態を支持している。

 ただ、中小企業のオーナー経営者や、大企業の子会社で仕方なく一緒に中国に駐在しなければならないような小規模の企業が、騙されて、ひどい目に遭い、資金や資材を置いて逃げ帰る事態が後を絶たないのも事実である。中国政府は内陸部の開発に重点的に取り組んでいこうとしているが、日本企業もそうしたところにまで進出する気には、中々なれないようだ。

 その一方で、建設業界や各プラント業界の技術者が“出稼ぎ労働者”のようにアジア経済圏をはじめ世界中に出向いてプラント建設に着手し、維持・管理する要員として勤務している。日本の大企業は研究開発や非常に高度な技術を要する部品の製造には、国内で生産拠点を保持している。

 が、それ以外は中国だけでなく、ベトナムやマレーシア、タイ、インドネシア等の国々で先端的な部品を製造し、利益を国内に還流しないで再投資していく経営姿勢で生き残りを模索している。例えば、トヨタも北米での自動車生産工場に依存せず、状況によっては撤退するほどの覚悟までしているのではないか。

● 政治主導・反官僚を掲げる鳩山内閣の顔ぶれの補足説明

 最後に鳩山内閣の顔ぶれについて、以前、指摘していなかった人たちについて補足しておきたい。松井孝治(まついこうじ)官房副長官は、通産官僚出身だけあって経産省の利害を代弁しているところがある。

 また、財務省主計局から小沢幹事長のところに送り込まれていたのが、古川元久国家戦略局副大臣である。古川元久副大臣を、大串博志(おおぐしひろし)財務金融委員会委員や、政治家ではないが斎藤日本郵政社長の娘婿である稲垣光隆(いながきみつたか)同省主計局次長が補佐している。

 さらに金融行政では、亀井郵政・金融相から、かなり気に入られているのが大塚耕平(おおつかこうへい)金融担当副大臣であり、個人的には、亀井大臣と小沢幹事長との間を取り持っていると見ている。大塚副大臣は、早大政経学部出身で非東大系なので、官僚と敵対させるには好都合であり、また出身である日銀の利害を代弁している。

 ちなみに、この古川、大塚両副大臣と稲垣次長の3人は、同学年ではないが、名古屋の旭丘高校出身であり、この高校は愛知県の公立校では最も難関だといわれている。愛知県や名古屋では、この高校に入学するだけで“一目置かれる”という。大塚副大臣が財務省を“柔らかく”脅していく戦略を推進していると思われ、同郷で出身高校が同じ人物が主計局の中核にいるのもそれに役立っているのだろう。

 厚労省では事務次官に就任できるのは年金課長の経験者が多いが、それと並んで医政局長も強大な権限を握っている。そこに打撃を与えようとして、篠崎英夫(しのざきひでお)医政局長の後継者とされる、上田博三(うえだひろみ)健康局長を、医師出身の足立信也(あだちしんや)同省政務官が潰そうとして頑張っている。

この医政局長(いせいきょくちょう)は毎年の国家予算のうちの、なんと35兆円もの資金をひとりで動かすといわれている。

 医療業務に携わった経験がないにもかかわらず、形式上は事務官とは異なり、医者を意味する「医系技官」である。財務省主計局では“裏切り者”として高橋元東洋大学教授が出現したが、同様にこの部門でもそれに相当する人物として木村盛世(きむらもりよ)医系技官が出現している。

 現在では地方の検疫所に左遷されて苦労しているが、それにめげずに“反骨精神”で頑張っている。

 また、同省内部には小沢幹事長と盟友である石井一(いしいはじめ)選挙対策委員長と良好な関係にあり、2009年9月7日に虚偽公文書作成、同行使容疑で逮捕された村木厚子(むらきあつこ)元雇用均等・児童家庭局長も、圧力に屈しないで頑張っている。

 それ以外に同省の官僚群を潰す担当として鈴木寛(すずきかん)文科副大臣がおり、足立政務官とともに舛添要一前厚労相とつながっている。舛添厚労相はかなり怒っており、現与党の民主党の厚労省担当の政治家と共同歩調をとってもかまわないといった姿勢を見せているようだ。ちなみに、前厚労相は民主党と合流するといった観測もあるが、おそらく、東京都知事選挙の出馬を意識しての行動と思われる。

 また、松井孝治(まついたかはる)官房副長官が今、同じ内閣官房で財務省主税局出身の福田進(ふくだすすむ)官房副長官補を更迭するように求めているのが注目される。沖縄駐留米軍の普天間基地移設問題では、社民党から出ている辻元清美国交副大臣が、米国とつながっている外務、防衛両省幹部を更迭させるように要求している。

 小沢幹事長直系の政治家たちは、幹事長や国会対策委員会の要職を占めている。幹事長系では輿石東(こしいしあずま)幹事長代行、その下に細野豪志(ほそのごうし)副幹事長がおり、組織委員長や企業団体委員長を兼務している。それ以外の副幹事長には、樋高剛(ひだかたけし)、佐藤公治(さとうこうじ)がおり、この4人で幹事長系人脈が構成されており、各利益団体の陳情を一手に受ける構図となっている。

 国会対策委員会は、山岡賢次委員長を中心に、筆頭副委員長に、松木謙公(まつきけんこう)、笠浩史(りゅうひろふみ)、さらに委員長代理に三井辨雄(みついわきお)といった人たちで構成されている。さらに、奥村展三(おくむらてんぞう)総務委員長も石井選対委員長の下についている形なので小沢幹事長直系だ。 (了)

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝


2010/01/22(Fri) No.01
東京地検特捜・小沢G公判
本日は植草一秀先生のブログ(知られざる真実)を引用して皆さんにお知らせいたします

2010年1月17日 (日)
東京地検暴走原因は大久保氏第2回公判にあり
「雑感 日々思うこと」様が極めて重要な情報を伝えてくださっている。


 昨年3月3日に東京地検特捜部が政治的に最重要のタイミングで突然、小沢一郎民主党代表(当時)公設第一秘書大久保隆規氏を逮捕し(「三・三事変(さんさんじへん)」)、起訴した事案について、現在、東京地裁で公判が行われている。


 1月13日午後、その第2回公判が開かれた。


このなかで、事件の核心に関わる重大な証言が示された。


以下、「雑感 日々思うこと」様の記述を転載させていただく。


「そもそも、西松建設の政治団体である「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」がダミーである。という前提で検察は立件・起訴をしている。ところが、大久保氏は一貫して否定をしている訳である。


又、同時に西松建設が社内に設置をした第三者委員会で「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」がダミーとの見解をしているのである。それだけであれば、通常の方なら西松の政治団体はダミーであると思ってしまう。


今まで、マスコミは検察側の一方的な主張、つまり「秘書がダミー団体を通じて西松建設から違法な献金を受け取ったと」という前提で記事を書いてきたのである。


ところが、それが崩れたのである。お金を渡す側、つまり西松建設のお金を寄付をした側である岡崎彰文元総務部長が、「政治団体がダミーとは全く思っていなかった」と答えている。これは検察の再主尋問での答えである。この点は非常に重要である。


大久保氏の弁護人の質問には、「OBがやっていて、届け出もしている、と被告に説明したと思う」と証言をしている。つまり、ダミーでは無いと大久保氏には説明をしたと言うことになる。


同時に裁判官の質問には、「事務所も会社とは別に借りて、資金も別だった」と西松本体とは別ものであると述べている。これでもダミーだと検察は言い張るのだろうか。


ようは、マスコミの記事が嘘であり「関係者」と言う名前を用いた東京地検のリークが意図を持って流されていてマスコミはそのリーク情報に沿って書かれていたと言うことに他ならない。


正義の味方を気取った「東京地検」も「マスコミ」も一皮むいたら、「嘘つき集団」でしかなかったと言うことである。


(中略)


石をぶつけられない内にとっとと、特捜を解体し、マスコミは潰れた方がいい。


今日の夕方から、小沢氏の事務所を家宅捜査をしたようであるが、これは、西松事件での証言を隠したいからであろう。」


(ここまで「雑感 日々思うこと」様の転載)


 第2回公判を伝える共同通信電は以下の通り。


「政治団体、ダミーと思わず 西松公判で元総務部長」


「西松建設の巨額献金事件で、政治資金規正法違反の罪に問われた小沢一郎民主党幹事長の公設第1秘書大久保隆規被告(48)の第2回公判は13日午後も東京地裁(登石郁朗裁判長)で続行、西松の岡崎彰文元総務部長(68)が検察側の再主尋問に「(献金していた)当時は、政治団体がダミーとは全く思っていなかった」と証言した。


献金元の政治団体について、検察側は西松が名前を隠して献金するための、ダミーだったと主張している。


検察側は、政治団体の会員だった社員の賞与に上乗せ支給する手法で、実際には西松が会費を負担していたのではないかと質問したが、元総務部長は「知らない」と答えた。


弁護側の反対尋問では、政治団体について「OBがやっていて、届け出もしている、と被告に説明したと思う」と述べ、続いて裁判官に西松と政治団体の関係を質問されると「事務所も会社とは別に借りて、資金も別だった」と説明した。」


(ここまで共同通信記事)


 「検察の主尋問」とあるから、西松の岡崎彰文元総務部長は検察側証人であるのだろうか。検察側証人が検察の立証の核心を崩壊させる証言をしたことは衝撃的である。検察が受けた衝撃の大きさが推察される。


 どういうことか。


 政治資金規正法第9条に以下の規定が置かれている。


(会計帳簿の備付け及び記載)





第9条 政治団体の会計責任者(会計責任者に事故があり、又は会計責任者が欠けた場合にあつては、その職務を行うべき者。第15条を除き、以下同じ。)(会計帳簿の記載に係る部分に限り、会計責任者の職務を補佐する者を含む。)は、会計帳簿を備え、これに当該政治団体に係る次に掲げる事項を記載しなければならない。


1.すべての収人及びこれに関する次に掲げる事項


イ (省略)


ロ 寄附(第22条の6第2項に規定する寄附を除く。以下ロ及び第12条第1項第1号ロにおいて同じ。)については、その寄附をした者の氏名、住所及び職業(寄附をした者が団体である場合には、その名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名。次条第1項及び第2項並びに第11条第1項第1号ロにおいて同じ。)、当該寄附の金額(金銭以外の財産上の利益については、時価に見積もつた金額。以下同条までにおいて同じ。)及び年月日並びに当該寄附をした者が第22条の5第1項本文に規定する者であつて同項ただし書に規定するものであるときはその旨


ハ 以下(省略)


 


 詳細を省くが、政治資金規正法は政治献金について、


「寄附をした者の氏名、住所及び職業(寄附をした者が団体である場合には、その名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名)」を記載することを義務付けている(太字は本ブログによる)。


 大久保隆規氏は、政治資金収支報告書に政治団体である「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」からの献金があったと記載した。これらの政治団体による献金資金の原資が西松建設から拠出されたものであったとしても、政治資金規正法は「資金拠出者」を記載することではなく、「寄附行為者」を記載することを義務付けている。したがって、大久保氏サイドは、提出した収支報告書が「虚偽記載」には該当しないと主張している。


 これに対して検察サイドは、「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」の二つは実体のない「架空団体=ダミー団体」であるとし、二つの政治団体からの政治献金であると記載したことが「虚偽記載」であると主張している。


 この意味で、裁判の最大の争点は「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」の二つの政治団体に「実体」があったのかどうかという点に絞られている。


 1月13日の第2回公判は、この点に関する最重要の証人尋問になった可能性が高い。この証人尋問で検察サイドが申請した証人が、二つの政治団体に「実体」があることを証言したのである。


 証言では、政治団体について元総務部長は「OBがやっていて、届け出もしている、と被告に説明したと思う」と述べ、さらに西松と政治団体の関係について、「事務所も会社とは別に借りて、資金も別だった」と説明したのである。


 元総務部長は二つの政治団体に「実体」があったことを証言したのである。


 つまり、大久保氏の政治資金収支報告書への記載が「虚偽記載」でなかった可能性が著しく高まったと言える。


 この裁判の判決は本年春にも予想される。この裁判で無罪判決が示されれば、東京地検特捜部は致命的な打撃を受ける。


 このことが、今回の検察のさらなる暴走=「一・一五(いちてんいちご)事変」を生み出す直接的な原因になったと考えられる。


 今回の事変について、小沢一郎民主党幹事長は、


「計算の間違いやら、あるいは記載の間違いやら、あったかと思うが、形式的なミスについては、今までのほとんどのケースで、報告の修正あるいは訂正ということで許されてきたもの」


だと指摘している。


企業献金の一部が記載漏れになっていたとしても、良いことではないけれども、この程度のことはこれまでの政治資金収支報告では日常茶飯事であった。


また、小沢氏は野党議員であったから職務権限を伴う収賄の疑いも存在しない。談合への介入を立証することも不可能であろう。収支報告書への記載漏れや、細かな記載ミスなどだけを理由に現職国会議員を急遽呼び出して逮捕するのは異常な行動としか言いようがない。


検察捜査当局は行政機構の一部であり、内閣総理大臣が小沢氏に対して「しっかり闘ってもらいたい」と発言するのは一見、奇異な印象を与えかねないものだが、政権交代からまだ日が浅く、行政機構の大掃除がまだ終了していないことを示すものである。


検事総長を国会同意人事にするべきとの小沢幹事長の主張は適正であるし、鳩山政権は検察内部に巣食う「悪徳ペンタゴン」の走狗を早急に一掃する必要がある。千葉景子法務大臣は、人事の適正化を含め、適正に法務大臣の指揮権を発動するべきである。


「悪徳ペンタゴン」と「主権者国民」の最終決戦の図式が、検察の暴走により、鮮明に見えてしまった。この点は「きっこのブログ」様が指摘する通りだ。


「主権者国民レジスタンス戦線」結成に多くの皆様が賛同してくださっているが、そのなかで、「杉並からの情報発信です」様が主権者国民の草の根からの行動について、有益な提言を示して下さった。


具体的な提言については、本ブログでも改めて紹介させていただきたい。まずは「杉並からの情報発信です」様の記事をご高覧賜りたく思う。


主権者国民は現時点での「悪徳ペンタゴン」実働部隊である検察(=犬察)とマスメディア(=マスゴミ)による情報操作=世論誘導工作活動の本質を洞察し、「悪徳ペンタゴンとの最終決戦」を勝ち抜いてゆかねばならない。


引用終わり


これが真実です
[1458]普天間基地移転問題での、米側頭目(とうもく)のジョゼフ・ナイの方針転換。やっと気付いたか。 投稿者:副島隆彦投稿日:2010/01/12(Tue) 06:50:04 
沖縄の普天間基地の移転問題で、アメリカの対日戦略の頭目(とうもく)で、ハーヴァード大学教授で、昨年6月に駐日本大使になりこそねた、ジョゼフ・ナイが、ようやく、自分たちの作戦の間違いに、気付いたようだ。 鳩山政権に対して、新たな次の手を打ってくるだろう。


(転載貼り付け始め)

「普天間移設 米政府の姿勢戒め ナイ氏が米紙寄稿 」

 琉球新報(りゅうきゅうしんぽう) 2010年1月9日 

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-155359-storytopic-53.html

( 極悪人で、日本あやつり版の人間の頭目である、ジョゼフ・ナイが、ようやく「しまった。鳩山たちに嵌(は)められた。問題は、普天間のような小さな基地ひとつ、の配置問題ではない。 

 ここでの交渉に、目を奪われて駐留軍だけではなく、アメリカ政府までが、ここに拘泥(こうでい)し、ここで膠着(こうちゃく)すると、 全体としての、日米関係、すなわちアメリカによる日本管理、日本抑え込みの失敗になる。大きなところでの、日本政府=鳩山政権 からの譲歩を引き出せなくなる。 

 この普天間基地移転問題という小さな問題(小さな戦場)に目を奪われて、全体の大きな問題(国家間の大きな戦場、交渉ごと)が見えなくなる。

 普天間基地問題は、 始めから米海兵隊(マリーン・コウ) に対する、米空軍の司令官たちからの 差別( お前たちは、きたないから、あっちにゆけ)問題がからんでいた。 米4軍の日本現地駐留軍の司令官たちの内紛と経費ぶんどり合戦(日本政府からの傭兵(ようへい)費用の払い渡し の 年間3千億円の「思いやり予算」 の 奪い合い)になっている。 

 この 日本現地駐留軍人たちの問題に米政府が引きづられて、それで、かえって鳩山政権に対して、単純な圧力しかかけなれなくなってしまっている。

 しまった。小沢一郎がトヨタの奥田ひろし と作って、平野博文(ひらのひろふみ、内閣官房長官、松下労組委員長出身、すなわちパナソニックがもつ国家戦略)が「普天間は自分の仕事です。総理、私に任せておいてください」 として、日本の政・財の頭脳が結集して、日本人の得意な「ぶらかし戦略」(アメリカの、高等外交戦術であるBATNA=バトナ=理論の逆用)に出ている。しまった、私たちアメリカの外交戦略家たちの方がまんまと騙されつつあるぞ。急いで、戦略を転換せよ 」 

 このように、ジョゼフ・ナイ がようやく気付いたようである。 この作戦は、アメリカの権力の構成を分析してきた、三井物産戦略研究所の寺島実朗(てらしまじつろう)氏が、初めから立案して提言したものである。 「普天間という小さな問題に、アメリカ政府をまず釘付けにしよう。そうすれば、沖縄県民が、意思を一致させて、沖縄からの米軍の撤退を決議して行動するでしょう。そうなると米軍は、沖縄県民を敵に回すことはできない。 来年1月の名護(なご)市の市長選挙で、決着がつきます。 米軍は、駐留先の現地の人々から、「出て行ったください」と言われると、どうしようもなくなる。この作戦でゆきましょう」 と、寺島実朗が作戦提言した。

 これは、昨年の9月の鳩山政権の発足時からの、日本政府の外交方針である。外務省のアメリカの手先幹部たちなどには、何も教えないで、この作戦は実行されてきた。単純な頭の、日本国内のアメリカの手先たちも、普天間問題に熱中して、だまされた。「日米同盟が危機に瀕する。同盟関係が漂流(ひょうりゅう)する」と、馬鹿な頭で騒いでいる。

 ナイがやっと気付いたのは、世界戦略家(ワールド・ストラテジスト)としては当然であり、さすがといえば、さすがである。そのことを、以下の記事のなかで、ナイが、「普天間問題をめぐる日米間交渉を、ローマ時代に多大の犠牲を伴った「ピリックの勝利」に例えた」となっている。


 一体いくらのカネを日本側の、防衛予算から引き出すことで、米軍需産業のジェネラル・ダイナミックス(GD)社(戦闘爆撃機やヘリのエンジンの製造企業)や、レイセオン社(高性能弾道ミサイル製造)の代理人(販売営業マン、ブッシュ政権高官をやったあとは、営業マンになる)をやっている、R・アーミテージと、M・グリーンたちは、自分が稼(かせ)ぎ挙げる、目先のカネが大事で、そこに目を奪われる。
ロバート・ゲイツ国防長官でも、軍人たちを食べさせること(現地の国で、収入を確保すること)に腐心(ふしん)するから、全体が分かっていない。

 だから、アメリカは大きくものごとを見れなくなっている。日本政府を自分たちが直接、脅(おど)して、圧力を掛けさえすれば、日本が動くと思っている。 このことを、対日本管理の全体の統括者である ジョゼフ・ナイは、ハッと気付いたのである。お見事である。しかし、もう遅いよ。


 【東京】クリントン米政権下で国防次官補を務め、米国の東アジア戦略策定にも携わってきたジョセフ・ナイ・ハーバード大名誉教授が、7日付の米ニューヨークタイムズ紙への寄稿で、米軍普天間飛行場移設で米側が日本政府に強硬姿勢で臨むことを「賢明でない」と諭し、

「忍耐強く戦略的に臨まなければならない」と提言した。「普天間問題」を二次的な問題と位置付け、強硬姿勢のまま同問題で米側が「勝利」しても、日米同盟上は犠牲が多くて引き合わないとも指摘した。

 普天間移設問題では、日米間の最重要課題で合意通りに移設を履行しなければ、日米同盟が危機になるとする論調と一線を画するものとして注目される。

 「一つの問題より大きい(日米)同盟」と題した寄稿。普天間移設問題をめぐり「二次的な重要性しかないもので、米国の東アジアでの長期的戦略を脅かしている。普天間はそこまで価値はなく、鳩山新政権が掲げている唯一の問題でもない」と指摘した。

 従来、日本の官僚は「外圧」を利用して外交課題の解決を図ってきたと説明、「だが今回はそのケースではない」と断言している。その上で、米側が鳩山政権を軽んじれば、日本の国民世論に憤りを招くと分析。普天間問題をめぐる日米間交渉を、ローマ時代に多大の犠牲を伴った「ピリックの勝利」に例えた。

 安保改定から50周年の時期を重視する観点から「基地の論議が気まずい空気になり、在日米軍のさらなる削減を引き起こすようなことになれば、両国はせっかくの機会を逸することになる」と懸念を示した。

 ナイ氏は1996年の日米安保「再定義」にも携わり、2000、07年にはアーミテージ元国務副長官らと対日同盟戦略書「アーミテージ・ナイ・リポート」をまとめた。(滝本匠)


副島隆彦先生が、昨年の8月に書いた文章を、以下に参考文献として、載せておきます。

(転載貼り付け始め)

http://snsi-j.jp/boyakif/wd200908.html#1001

今日のぼやき 「1066」番

 (表題) 「鳩山民主党政権誕生に向かっての私たち学問道場の指針」 を書きます。それと、獄中の植草一秀氏からのメッセージがあります。 副島隆彦 2009.8.29

 副島隆彦です。 今日は、2009年8月29日(土)です。 いよいよ明日30日が、総選挙(衆議院議員選挙)の投票日です。私たち日本国民の運命を、自分で握りしめるために、投票に行って、そして、新しい政権の誕生を皆で祝いましょう。

 投票の際には、同時に行われる、最高裁判所の裁判官たちへの国民審査で、「4人の最高裁裁判官、近藤崇晴(こんどうたかはる)、那須弘平(なすこうへい)、竹内行夫(たけうちゆきお)、竹崎博充(たけざきひろのぶ)に、×(バツ)を与える」ことも忘れないでください。
(略)

  2009年3月の、小沢一郎への汚職・犯罪者仕立て上げの攻撃の謀略を仕掛けた アメリカは、あのあと、「タオルを投げた」のである。アメリカの策略は 失敗したのである。 私は、この「アメリカ(の日本あやつり対策班=ジャパン・ハンドラーズ)は、あの3月に、日本管理上の大失敗を犯した。

 だから、「アメリカはタオルを投げた」という情報を、3月の事件の直後 に、謀略を仕掛けた、検察特捜・法務省・警察庁の漆間巌(うるまいわお、 官房副長官 )ら アメリカの手先たちが、自分たちの悪事を暴かれて、右往左往している さ中に、アメリカ(ワシントンDC)中枢からの情報として知った。 

 だから、あのとき、「アメリカがタオルを投げた」ということは、
「日本はもう、自分たちの言うことは聞かなくなった。小沢一郎らを抑え込むことに、 自分たちは失敗した。だから、少なくともしばらくは、もう自分たちの手には負えない」と判断した。
 
 最高度でこの判断をしたのは、ジョゼフ・ナイ・ハーヴァード大学教授 (政治学)である。 ジョゼフ・ナイは、新任の駐日アメリカ大使として、 赴任することになっていた。

「(属国群には)ソフト(な)パワー(を行使せよ)」論である ' Soft Power ' 「ソフト・パワー」論の提唱者であり、悪辣(あくらつ)な人間である。 ナイは、 「自分が、日本に赴任する前に、小沢一郎を片づけておけ」と、CIA(米中央情報部) の対日本の謀略部隊(破壊工作員たち)に命令を下していた。それに失敗した。

 だから、ナイは、急に、日本に来る気が無くなった。それがはっきりしたのは 4月26日の、東京のホテル・オークラで開かれた米欧日三極委員会 (ザ・トライラテラル・コミッション)」の東京大会(の裏の決議事項) でである。「私は、もう、日本には来ない。どうも小沢潰(つぶ)しに、 私の配下の者たちが失敗した」と、

 朝日新聞の主筆(編集権を握る役員待遇)の、 船橋洋一(ふなはしよういち、こいつが、朝日新聞を、この10年間でおかしくした張本人) に伝えたのである。  (以下略)

http://snsi-j.jp/boyakif/wd200908.html#1001

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦先生のブログより引用いたしました


あけましておめでとうございます
新年早々、本当はいけないと想いますが、このHPを見てる人に私が尊敬する、副島隆彦先生の新年の挨拶が有りました、これは重要だと思い、全文を掲載いたします。

 2010年年頭のご挨拶 鳩山・小沢政権は検察とメディアからの攻撃に負けてはならない。亀井静香が、財務省主計局長をなだめおどしながら15兆円の予算を確保したことが重要である。 2010.1.3 副島隆彦 記
 副島隆彦です。 今日は、2010年1月3日です。学問道場の会員の皆様、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
(副島隆彦注記。1月5日に、以下の文が不正確であったので、手入れを行い、内容を引き締めます。 副島隆彦注記終わり)

 学問道場は今年で10年目を迎えました。これからも頑張って会員と読者の皆様に真実の言論と、知識、思想、学問の良質のものを提供していきたいと思います。

 新春に私が会員にご報告したいのは、現在の鳩山・小沢政権が行っている、すばらしい政治革命についてです。私があまりに本当のことを書いたり話したりしてしまうと、鳩山・小沢政権に迷惑が掛かる気が少しします。愚劣なる敵どもの塩を送ってしまうことになる。 だから、私があまり本当のことをあっさり書くのは良くないとも思ったりします。ですが、やはり私達は真実の言論を誰に臆(おく)することなく、どんな勢力にも加担することなく(たとえ現政権の人々に対しても)、自分が考えた本当のことを書くことで堂々と生きるべきだと考えますのでやはり書きます。裏表(うらおもて)なし、直球勝負が副島隆彦の生き方です。

 今日は、大切なことだけを箇条書きで書きます。まず、テレビや新聞や言論誌などを見ると、現在、鳩山・小沢政権が追いつめられて、あるいは、予算も満足に作れないで漂流していると盛んに書かれています。

 私はしつこく同じことを何十度でも書きますが、今の日本のテレビ5局(全国ネットワーク)と大新聞5社の10社、さらには、最近はNHKまでもが、まったくひどいとしかいいようがない。
彼らは、意図的に、鳩山政権への謀略攻撃をかけている。報道の中立性や、公平性などかなぐり捨てて、自分たちの憎悪感で記事づくりをしている。

 ここまで、鳩山・小沢政権を悪意を込めて、憎しみを込めて非難・中傷を行うことから見ると、彼ら、テレビ・新聞の幹部たちはよほど、長年、アメリカに抱き込まれて、育てられて来たと思います。日本の官僚(高級公務員組織)も同じです。アメリカの国家情報機関であるCIAや、「知日派(ちにちは)」と言われるアメリカ人の官僚や学者たちから、留学や省学金供与などのあれこれの便宜や利益を受けて、これまで自分たちが「出世街道まっしぐら」で、自分たちの地位を安泰にしてぬくぬくと生きてきたのだとよく分かります。

 私達は、清新なる小沢・鳩山政権が、「国民の生活が一番。政治とは生活である」という標語を掲げて、日本の政治支配の実質を握りしめてきた、官僚(高級公務員たち)から、権力を奪い取り、本当の国民の代表者たちである政治家(議員、および議員たちから選ばれた内閣=政府執行部)に、本当の権力が移動することを目指さしていることを強く支持します。それが小沢革命です。

 だから、私たちの「敵」ははっきりしている。各省庁の官僚トップたち、検察警察の幹部どもを含む法務省の官僚たち、それから公共電波・媒体であるテレビ・新聞(マスコミ)を握る者たちとの正面からの戦いです。

 日本の現在の鳩山政権の行動でもっとも大事なことは、実は、亀井静香・金融担当大臣が、12月の初めに、15兆円のお金を財務省(大蔵省)のトップたちから上手に奪い取ってきたのだ、という事実です。亀井と小沢一郎は、お互いに目くばせしあうだけで、それ以上の話をする必要はない。

 なぜなら、日本の閣僚級のトップクラスの政治家たちの携帯電話の通話は、アメリカの情報機関(CIAやNSA=エヌ・エス・エイ=国家安全保障局。アメリカ海軍が主体の軍事系の通信傍受部隊で出来ている組織)の特殊な情報収集網であるエシュロン(通信傍受技術)によって常に盗聴されているからです。

 だから、以前の自民党を含めて、日本の政治家のトップたちは、マスコミに故意にもみくちゃにされても、らむやみに話すことはしないし、携帯電話で不用意に話したりはしない。

 エシュロンによって集められた日本の政・財・官のトップたちの会話は一部は、日本の警察庁や検察庁にも流されるようにできています。ですから日本人トップたちは「目配せと表情」だけで意思の合意を行っているのです。

 亀井静香という政治家は、私の分析では、竹下登と中曽根康弘というのふたりの愚劣なる最高指導者(日本国の王権の簒奪=さんだつ=者)の力が伯仲した1990年に、一年だけ日本の国王代理、すなわち実質的な日本の最高指導者をやった。このことを、私がずっと前に出した『テロ世界戦争と日本の行方』(弓立社刊、2001年刊、9.11事件の直後) の中に書いたはずです。

 今は、立派な国民政治家になった亀井大臣のところに大蔵官僚のトップふたりである、事務次官と主計局長が、その歳の「予算案」である「大きな一枚紙」を差し出してお伺いを立てる。これを、大蔵官僚(今は財務官僚)のコトバでは、「予算を納める」という。この大きな一枚紙を恭(うやうや)しく献上(上納)される)人間が、日本の実質国王です。

 だから亀井大臣は、財務官僚のトップたちが握りしめている「隠し金」のありかを大きく分かってる人です。小沢一郎と亀井静香が、今回、上手にこのうちの15兆円を、いわゆる「埋蔵金」(まいぞうきん。窃盗容疑の謀略で打撃を受けた、元財務官僚の高橋洋一氏の命名)の中から、来年の国家予算92兆円の原資として奪い取ってきた。このことが一番大事なことです。

 菅直人(なんなおと)副総理・国家戦略大臣では、役不足だった。いくら官僚トップたちを呼びつけて、締め上げても、菅直人では、彼らを簡単に落とすことはできない。

 だから、偏向報道のひどい今のテレビ・新聞、言論誌などが今の政権の各大臣のあれこれの行動を揶揄(やゆ)したり、不必要にいなしたり、悪口を書いたりしているものや、財務省の官僚たちから新聞記者たちが意図的に違法にリークされた記事の類(たぐい)は、情報操作が掛かっているから、私たちは疑ってかかった方がいいのです。

 まず、支給額で約2兆4千億円の子供手当て(国民への直接の給付金)などのための予算を確保しなければならなかった。今年の税収はたった37兆円しかないというサボタージュ、怠業(たいぎょう)行動を財務省が行って、マニフェスト(政権公約)実現を目指す、現政権を苦しめようとした。

 それと、最高限度で44兆円の国債発行(これまでの分の洗い替え=契約更新=分がほとんど)しかできないという苦境があった。だから財務省の官僚トップ数人をうまい具合になだめすかしつつ、軽く脅し挙げて、彼らが隠し持っている資金(「30の特別会計」に隠している)を自ら出させる、ということが一番大事なことだった。

 それで、12月3日に亀井大臣が勝利宣言のような、「日本の政治は国民新党中心にできている」と言ってニンマリと笑った。ここが大事です。日本の財務官僚たちが握りしめている隠し金が、高橋洋一氏の最新の著作『恐慌は日本の大チャンス』(講談社刊、2009年9月刊)に書かれている説では75兆円ある。もっと大きく見れば200兆円くらいある、と言われています。この埋蔵金(官僚が特別会計のあちこちに複雑に隠し持っているお金)を、なんとしても見つけ出して国民のために使わなければいけません。

 私、副島隆彦は、日本国民のために、このお金を引き出して急いで使うべきだと言っています。国民の生活が困窮して、貧しい層が困っている今、いくらでも良いから、使い散らしみたいな覚悟で使うことも必要だ。そういう覚悟で政権政治家たちは望むべきだと考えている。つまり、その資金をアメリカに奪い取られるくらいならば、日本国民がいっぱい使ってしまって、それで国内の消費が伸びるから、日本の経済の立ち直りのために役立つのです。こんな不景気の時にこそ、お金を国民の間にグルグルと回すことが大事なのです。

 だから、亀井金融・郵政正常化担当大臣は、財務省の主計局(しゅけいきょく)の畑の人間たちを「にこポン」路線で柔らかく脅し挙げて、彼らの隠し金をはき出させた。これが、去年の終わりにあった「事業仕分け」という、成功した、国民監視下での一大イベントの裏側で行われていた。「事業仕分け」で削った、無駄な出費である、あんな「国立まんが喫茶」などは、もともと財務省自身がすべて切り捨てたかった金食い虫たちだった。だから財務省のリスト通りに実行しただけだ。


(転載貼り付けはじめ)
「別会計から15兆円出せぬなら… 亀井氏財務省幹部をクビに」」

2009年12月19日  東京新聞

 亀井静香金融相は18日、テレビ番組に出演し、現在進められている来年度予算編成の財源問題について「15兆円ぐらい(特別会計から)出せないなら、財務省が反鳩山政権ということ。幹部のクビをきれと平野博文(ひらのふみひろ)官房長官に伝えた」と明らかした。

 亀井氏は、景気浮揚のために来年度一般会計の規模を95兆円以上とすべきが持論。実現には「特別会計から15兆円以上引っ張り出せるかどうかが勝負」と主張した。そのうえで「財務省は麻生政権下では特別会計を使ってまで、自民党を選挙で勝たせようとした」との論理を展開、特別会計からさらなる財源を工面するよう求めた。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009121902000100.html


「 亀井大臣「財務省・主計局長のクビを切れ」は正解 」

2009年12月21日掲載 日刊ゲンダイ

  亀井静香金融相がとうとう爆発した。18日のテレビ番組で「特別会計から15兆円くらい出さないのなら、財務省は反鳩山宣言をしたのと一緒。幹部のクビを切れと、平野官房長官に伝えた」と明かしたのだ。この幹部とは、勝栄二郎主計局長のこと。亀井大臣、本気も本気だし、鳩山首相も乗り気らしい。

 亀井大臣が爆発したのは、財務省の抵抗で財源が捻出できず、鳩山内閣が10年度本予算をなかなか組めないからだ。税収は予定より10兆円減の36兆円。国債発行額は「44兆円」の縛りがある。95兆円予算を組むには、どうしても15兆円程度足りないから、特別会計の埋蔵金から持ってこようとしているのに、財務省が渋って時間ばかり過ぎてしまっている。そこで亀井大臣、局長を名指しでガツンとやったのだ。

 これは正解だ。ない袖を振れないならともかく、特別会計には剰余金、積立金がうなっている。「亀井大臣も言っていたが、麻生内閣が編成した09年度予算と補正予算で、財務省は特別会計から11兆円を回しています。08年度は7兆円です。当時の与謝野財務相は“埋蔵金なんて幻想だ”と言っていたが、選挙が危なくなり、補正が必要となったら、財務省はスッと差し出した。

 幻想どころか、埋蔵金はいくらでもあるのです。09年度決算の推計でも、剰余金が16兆円、積立金が52兆円の70兆円弱はあります。15兆円くらい簡単に出てくる。自公政権のために出せたものを、鳩山政権で拒む理由は何もないのです」

 こう語る日本金融財政研究所の菊池英博(きくちひでひろ)所長は、今月初め、官邸で鳩山首相と面会している。その感触では、首相も埋蔵金の内訳は十分に分かっているという。15兆円は捻出できると踏んで、「国債発行44兆円枠は堅持したい」との首相発言になったわけだ。

 鳩山首相は決断のときだ

 亀井大臣と鳩山首相は通じていて、今度の発言も単なるパフォーマンスでなく、首相と連携したものとみていい。それでも財務省が拒み続ければ、主計局長のクビは本当に飛ばされておかしくない。

 「政権交代と同時に、局長以上を交代させなかったから、政治主導が進まず、相変わらずの財務省支配が続いているのです。アメリカのようにサッサと幹部官僚は総入れ替えすべきです」(エコノミスト・紺谷典子(こんやのりこ)氏)

 こうした声も巷にはウズ巻いている。だれも官僚の味方などしない。勝(かつ)主計局長(昭和50年入省)は、丹呉泰健(たんごやすたけ)次官(49年)の後任が確実だが、この人事に鳩山内閣が手を突っ込んだら面白いことになる。財務省をトップとする霞が関に全面戦争の度胸はないから、震え上がる。それで初めて政治主導が定着するわけだ。一種の賭けだが、官僚の省益優先に甘い顔をして、予算編成が越年したら、内閣は一気に弱体化する。鳩山首相は腹をくくるときだ。

(転載貼り付け終わり)

 副島隆彦です。今のの主計局長の勝栄二郎(かつえいじろう。あの勝海舟=旧幕臣たちの裏切り者で、呪いの対象で、極悪人=の子孫らしい)という人物で、亀井が勝を柔らかく(でもないが)脅し挙げて、「内閣に敵対する行動を取るならば、クビを斬る」といって、勝主計局長と財務次官の丹後泰健(たんごやすたけ)に金を出させた。

 この勝栄二郎 と 武藤敏郎(むとうとしろう)大和総研理事長(元同省事務次官、前日銀副総裁)、坂篤郎(さかあつお)元内閣官房副長官補(元財務省主計官)の3人が、この10年の財務省の最高幹部であって、隠し金のありかを全部知っている。 

 坂篤郎は前の小泉政権では、官房副長官補(かんぼうふくちょうかんほ)をしていた人物で、今回は、うまいぐあいに、日本郵政株式会社の副社長の形で、斎藤次郎(さいとうじろう)社長の下につく形で、郵政改革をひっくり返す側に付いた。

 小泉政権が進めた「アメリカに資金を流す(流失させる)」ことが隠された目的だった郵政民営化は、去年の12月に、押しとどめられた。

 この3人にとって上司(親分子分関係、派閥)であった、斎藤次郎(通称”デンスケ”デンスケ人形そっくりだから)は、一七年前に当時の大蔵省を追われた 今回、小沢一郎の力で、日本郵政の社長に任命されて、日本の政治の前面に出てきた。斎藤次郎 は、一七年前の細川護熙政権(この時も小沢一郎が実質的に動かしていた)の時に、財務省のドンだった男だから、斎藤が小沢一郎と気脈が通じていた。

 だから、デンスケが日本郵政の社長に返り咲くことで、官僚の天下り容認だといって、アメリカの手先の新聞たちが、それ見たことかというように騒いだ。財務官僚のドンだった男を、わざわざ復帰させるということは、「天下り容認」だと批判を受けた。

 が、一方では、財務官僚からすれば、かつて自分たちの古巣を追われた人物が「自分たちのお金の隠し場所(貯金箱。特別会計の源流=川上である郵貯・簡保)」の番人の役に復活してきたということは、猛烈な復讐劇であると受けられるはずだ。だから小沢一郎による斎藤次郎人事は、極意の一手であって、すばらしい手法である。

 こうして藤井裕久財務大臣、斎藤次郎元財務次官を上座(かみざ)に据え付け、かつての部下達と対決させるというやり方は、格式、序列、法律上の権限 の上からの諫(いさ)め、指令 をもっともいやがる財務官僚たちに一番、効き目があるからどんどんやるべきだ。これは、財務省自体を改革することにもなるから当然やるべきことだと思う。

 小沢一郎の弟子たちへの口癖だという「日本を大掃するのだ。きたないものを全て掃除するのだ」というコトバは、すばらしい。

 アメリカが、日本市場を攻略するために使ったのが、竹中平蔵のような、大蔵省内のあぶれ組 だったということを考えれば、このやり方は効果を持つであろう、ということなのです。

 藤井裕久財務大臣は小沢一郎につき従い、自民党、新進党、自由党とずっと闘ってきたが、去年、一度、小沢に辞任勧告を西松事件のあとおこなってはいるものの、小沢側近といえる存在で、年末にも入院したり、ひょっとすれば相当に老人化現象が進んでいると思います。藤井大臣は、主計官、すなわち、主計局の主流派閥だから、若い主計官たちの「ご養育係」でもあるのだが、今は、若い連中から、「もうこれ以上はへそくりは出せません」とやいのやいの言われて大変だろう。

 主計局は、主税局(しゅぜいきょく)というもっぱら税金を国民から取り集める係や、理財局(りざいきょく)のような国有財産の管理の部局、あるいは国際金融局のようなアメリカへの貢ぎ係りの部局とも違う。財務省の本当の主流で超エリートであり、各省への予算の配分も、この主計官たちが行う。この主流派である主計局にいた者たちでなければ、現役の者たちとの会話が成立しない。話が通じないのだ。

 アメリカ合衆国のエリートの間では、これをLingo(リンゴウ)と言う。プレッピイ・スクール(有名進学私立高校)出で、エリート大学を出たアメリカの国家官僚の間でも、同族の人間だけ通じる言葉を使って話している。話している内容はまったく取るに足りない世間話や下品な話なのだが、「自分と同じ特権的な部族に所属する人」としか話が通じない。そういう特殊な世界がどこの国にもある。人間というのは、そういうきたない生き物だ。

 財務省の国際金融局出身では行天豊雄(ぎょうてんとよお)という人物がいる。これが藤井裕久大臣の特別顧問に迎え入れられた。


(転載貼り付けはじめ)
「通貨政策担当の財務省特別顧問に行天氏 藤井氏が信頼感」

朝日新聞 2009年9月17日

 藤井裕久財務相は17日未明の就任会見で、大蔵省(現財務省)元財務官の行天豊雄・国際通貨研究所理事長(78)を通貨政策を担当する同省の特別顧問に起用する、と発表した。「日本で最も国際金融の世界で信頼がある」(藤井氏)のが起用の理由という。

 行天氏は、80年代のプラザ合意やルーブル合意などの際に政府を代表する中心的な役割を担った。大蔵省では藤井氏と同期の間柄にあたり、藤井氏は会見後、米国家経済会議のサマーズ議長の名前を挙げ、「(彼らと)対等以上にものがいえるのは彼だけだ」と述べた。

(転載貼り付け終わり)

 副島隆彦です。この朝日の記事で書かれているように、行天は、アメリカにお金を貢ぐ係のドンのひとりといってもよく、1986年に、国金局長のあと財務官(次官とも言われる。英語では、事務次官と並んで、vice minister 「(事務方の)副大臣」)というポストにいて、そのあと民間の銀行に入った人物だ国金局(国際金融局)出身の元官僚たちのことを「通貨マフィア」とも呼ぶが、その「大親分」は、大場智満(おおばともみち)という人物である。相当にワルい人間である。日本人で、アメリカの手先代表のひとりだ。

 この大場の次が行天で、その次の財務官が内海孚(うつみまこと)だ。そして、今回、行天だけが通貨マフィアの中で、鳩山・小沢ラインに協力する姿勢を見せたわけだ。したがって、行天のさらに子分にあたる、榊原英資(さかきばらえいすけ)元財務官(まさしく、国金畑、今は、財務省国際局という。あの玉木林太郎”タマリン”が、財務官 )が、藤井裕久財務大臣の入院後、その病状次第ではその後を継ぐのではないか、ともいわれている。

 だから、鳩山・小沢政権の各省官僚たちとの激しい闘争は、財務省の内部に元財務省出身者という同じ部族共同体の人間を送り込み、内部を分裂させるという手法で行われている、ということがわかる。

 このようにして、亀井大臣の奮闘で、「中小企業を助ける公共事業もどんどんやるべきだ」という掛け声で、来年度の予算案は92兆円ということで「仕上がる」ことになって、まずは目出度(めでた)い。しかし、悪意に持ちて憎悪に駆られたテレビ・新聞10社は、新年になって、鳩山由紀夫首相の、年頭の国民への挨拶の番組や、記事さえ作らない。驚くべき、卑劣集団である。

 マニフェストで掲げた民主党の最大の理念である、貧しい国民に直接お金を配るという政策をどうしても行わなければならない。だから、ようやくこの規模になったわけだ。これは、貧しい国民のための政党が民主党であるということだ。民主党は保守党ではない。

 だから、私は、自分のあちこちの講演会では、たいていは経営者や資産家の集まりだから、「皆さんは、鳩山政権が気に入らないでしょう。しかし、皆さんの従業員が、満足に暮らせるだけの給料をもらっていないから、だから、国(政府)が、一番下の方で困っている国民にお金を直接配るしかないのです。それが、ケインズ主義の政策の、『有効需要の創造』であり、需要=消費の喚起であり、それによって、国民経済(ナショナル・エコノミー)の景気が上向くのです。 だから、今の民主党とは別に、新しい日本の保守政党が出来なければならない」ということも言っいます。

 小沢一郎が率(ひき)いる日本民主党は、仕方なく貧しい層の国民と労働組合の党である。これは、ヨーロッパ型の伝統的な社会民主主義(しゃかいみんしゅしゅぎ)という、やや左(ひだり、レフト)の政治思想に基づいた政党であるから、保守党ということにはどうしてもならない。

 だから、私は、みんなの党 をつくった渡部喜美(わたなべよしみ)元金融大臣や、河野太郎(こうのたろう)衆議院議員を中心にした、汚れていない世代の若い保守政治家たちで、新しい保守党を育てて作っていくべきだと思います。それが日本の経営者や資産家たちの気持ちにピッタリと合って、彼らの意思と利益をきちんと代弁できる政党になるべきだと考えている

 小沢一郎は、厚かましくもというべきか、さすがだなあ、と私は思いましたが、この12月30日だったと思いますが、「自分に年齢的な余裕があれば、もう一度民主党だけでなく、自民党も育て直したい」という発言をした。それが小沢の本音だろうと私も思います。小沢一郎の人間的な大きさがよく表れています。今の自民党は、いったん潰(つぶ)すしかない。それが日本国民のためになる。

 特別会計の話に戻しますが、この特会(とっかい)は歳入が、すべてで 387兆円、歳出が359兆円あるようだ。これが平成20年(2008年)の決算内容です。ということは、この差額で28兆円の剰余金というものが存在する。このうちの4兆円くらいは積立金としてストックされるが、残りの21兆円が翌年度に繰り越されるという形になっています。この特別会計は、国土交通省や厚生労働省などにも分配されて地方の各県の予算の中にも紛れ込ませてある、

 これらは、帳簿上は既にいったん使ってしまったお金として処理されている。だから表に出ない。これらがあちこちの独立した勘定に、脂身のように密かに隠されているので、すでに使ったことになっているお金ですから、なかなか浮かび上がらないような仕組みになっている。財務官僚たちの隠し方の手が込んでいる。それが「国家のサイブを預かる人間たち」の腐敗した特権である。

 このカラクリは非常に複雑に出来ている。「処理済みなのだけども、累積されているお金」なのです。例えば、あれこれの事業が終わり、経費が処理された残りや、巨大な公共会館などのビルなどが建ったときの保険金のようなもので、すでに償却されているのだけれども、実際にはお金が密かに余剰金や別段金の形で隠し持たれている。

 それらを財務官僚たちが握りしめることで、日本の国家を動かしてきた。これは財務官僚たちの言い訳としては、アメリカから資金を貢げという脅迫が来た時のために隠しているという意味も持っている。アメリカは、事実、何か困ると、そのたびに日本をサイフ代わりに使ってカネを出させてきた。財務省は国民や政治家には何も教えないでそういう隠し金を長年持っている。

 今、アメリカべったりだった、属国奴隷のようだった自民党政権が倒れた。しかも世界的な未曾有の経済危機という事態の中で、この隠し金を徹底的に表面に出していくこと、国民の福祉や生活のために使うことが大事だ。国民のお金なのだから、官僚たちの勝手にさせないで、国民のために使ってしまうのがいい。埋蔵金は、あと最低で70兆円、多ければ200兆円ぐらいある。

 それから次のテーマです。 
 鳩山由紀夫首相の資金問題(お母さんからの支援金)を執拗に追いかけてきた検察庁は、今度は、年末の28日頃になってから急に小沢一郎の資金管理団体である陸山会(りくざんかい)の土地購入問題をほじくり返す攻撃に出てきました。

 今回は、まず雑誌数誌にリーク(公務員法違反の違法行為である)しておいて、それから大新聞に一斉に書かせた。これに 呼応して 自民党の悪質な院外団(いんがいだん)や右翼団体や、令のネット右翼のブログの書き手たちが計画的に焚きつけるというキャンペーンが始まった。

 陸山会が持っている土地やアパートが10ぐらいあるようだ。その購入資金の動かし方の不透明さをわさと大きく取り上げた。資金の動きが、政治資金規正法に基づく政治資金収支報告書(せじしきんほうこくしょ)に記載されていないではないか、として、石川知裕(いしかわともひろ)という現在は衆議院議員に当選した小沢一郎の秘書を事情聴取(任意出頭)で、締め上げているという動きになっている。


(転載貼り付けはじめ)
「土地取引「小沢氏の指示」 石川議員、地検聴取に証言」

朝日新聞 2010年1月1日 

 小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」が2004年に取得した土地をめぐる問題で、当時の陸山会の事務担当者で元秘書の石川知裕衆院議員(36)=同党、北海道11区=が東京地検特捜部の任意の事情聴取に対し、土地取引は小沢氏の指示で始まり、購入原資の約4億円が小沢氏の資金だったと認めていたことが、関係者の話でわかった。約4億円は、長年の政治活動で得た資金の可能性があるという。

 石川氏は関係者に対し、取引を進める中で「小沢氏と直接、電話やメモでやりとりすることもあった」と証言しているという。特捜部も、石川氏の再聴取などで、小沢氏が不明朗な資金操作についてどこまで認識していたかを調べる見通しだ。また、購入資金などで小沢氏しか分からない事情があるため、小沢氏を任意で聴取する必要があるか、慎重に検討するとみられる。

 この問題では、陸山会が04年10月29日、東京都世田谷区の宅地を約3億4千万円で購入。その数日前から、総額約4億円が複数の関連政治団体経由などで陸山会の口座に集められ、土地代金に充てられたことが判明。

 この約4億円は、同会の政治資金収支報告書の収入に記載されていない。石川氏が聴取の際、この資金操作などへの関与を認めたことから、特捜部は、石川氏を政治資金規正法違反(不記載)の罪で在宅起訴する方向で検討しているとされる。

 複数の関係者によると、この土地取引は、小沢氏が、同会の会計責任者だった公設第1秘書・大久保隆規(おおくぼたかのり)被告(48)=西松建設の違法献金事件で公判中=に、秘書寮の用地の取得を指示して始まった。大久保秘書は、対象地を探し、後の経理手続きは石川氏に任せたという。

 一方、小沢氏側の関係者によると、石川氏が「小沢氏の資金だった」と認めた購入原資の約4億円について、小沢氏の政治活動で得られた資金だった可能性が高いという。特捜部は、この資金が小沢氏個人の帰属か、政治資金かの解明も進める。

 同会の04年分の収支報告書には土地取引に関する記述がなく、05年分に記載されているため、石川氏ら3人が同法違反容疑で刑事告発された。小沢氏は記者会見で「単純ミスだ」と釈明している。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 このように元日に、上の朝日新聞だけではなく他紙もそろって、この土地取引の問題を大々的に報じた。だから、私も年頭にこの問題を論じないわけにはいかなくなりました。

 これは去年3月以来の検察庁、東京地検特捜部と小沢一郎の戦いの新しい展開です。佐藤優(さとうまさる)氏が前にコラムで書いていたとおり、検察は民主党攻撃をする際に、小沢堤(つつみ)と鳩山堤(つつみ)という二つのルートで攻撃を仕掛けている。佐藤氏は 「佐藤優の眼光紙背:第63回」(ライブドアニュース)に、次のように書いている。


(転載引用はじめ)
 筆者の見立てでは、現在、検察は2つの突破口を考えている。一つは鳩山由紀夫総理の「故人献金(こじんけんきん)」問題だ。もう一つは、小沢氏に関する事件だ。小沢氏に関する事件は、是非とも「サンズイ」(贈収賄などの汚職事件)を考えているのだと思う。

 ここに大きな川がある。疑惑情報を流すことで、世論を刺激し、川の水量が上がってくる。いずれ、両岸のどちらかの堤(つつみ)が決壊する。堤が決壊した側の村は洪水で全滅する。現在、「鳩山堤」と「小沢堤」がある。「故人献金」問題で、「鳩山堤」が決壊するかと思ったが、思ったよりも頑強で壊れない。

 そこで、今度は「小沢堤」の決壊を狙う。そこで、石川知裕衆議院議員(民主党、北海道11区)絡みの疑惑報道が最近たくさん出ているのだと思う。石川氏は、小沢氏の秘書をつとめていた。8月の総選挙では、自民党の中川昭一(なかがわしょういち)元財務省(故人)を破って当選した民主党の星である。この人物を叩き潰すことができれば、民主党に与える打撃も大きい。

「佐藤優の眼光紙背(がんこうしはい):第63回」(ライブドアニュース)
http://news.livedoor.com/article/detail/4466372/

(転載引用終わり)

 副島隆彦です。この堤防の決壊にたとえた佐藤氏の表現をよくかみしめてください。ここで大事なことは、小沢一郎の政治団体が持っているアパートとマンション計10個は、個人の蓄財のためのものなのではなくて、これは小沢一郎の政治家としての政治活動であり秘書軍団、つまり政治家として育って行く弟子たちの寮、住居として使われてきた建物である。

このように、「人間を育てる。弟子たちを育てる。次の世代の元気な日本人を育てる」ということが、ある程度歳を取った人間がやることして一番、大事なことだ。小沢一郎という政治家の偉さは、ここに表れている。本当に、小沢一郎は、西郷南洲(なんしゅう)隆盛のような大きな人間であり、卑屈な敵どもとは、比べ物にならないぐらい立派な人間だ。そして、同じく、織田信長と同じような苛烈な人間だ。だから私たちの国民指導者だ。

(副島隆彦注記。以上までを、加筆訂正しました。残りの作業の最中に、突然、訂正画面が消えました。急いでやりますので、お待ちください。 副島隆彦注記終わり。)

 私は、去年8月30日の民主党大勝利の背景にあったのは、この小沢の秘書軍団であると前から書いてきました。この秘書軍団が全国津々浦々を訪れて、今、小沢ガールズとか小沢チルドレンといわれている、143人もの初当選新人政治家たちを手取り足取り、小沢本人が選挙区に入れないときに指導してきたわけです。これらの小沢ガールズといわれる新人の脇でビラの配り方や演説の仕方までを一生懸命指導してきた小沢の私設秘書たちの姿が一番重要であると私は話してきました。この秘書軍団の中には、選挙管理委員会に提出された民主党の比例区の名簿に記載されて、民主党圧勝の勢いで議員になったものも少なからずいるであろうと、私は当選者の名簿を見ていて思いました。そういう政治活動家のための寮が陸算会の所有する寮に住まわされているのであろうと思います。

 私が小沢一郎の姿勢でもっとも共感でき、すばらしいと思えるのは、この人材を育てるということに掛ける、恐ろしいまでの執念と意気込みであると思います。自分自身は大して立派でもない家に住み、そうやって人材を育てているわけです。

 ところが、大新聞、マスコミの記者たちは、自分たちが駆け出しの記者時代に会社に事実上の借り上げになっている社宅に住まわせて貰いながら、朝晩と取材で出歩いたという記憶も持っているにもかかわらず、政治家が秘書軍団を政治活動のプロとして育てる(それには当然住居を確保するためのお金もかかる)という段になると、顔色を変えて批判する。蓄財だ、何だと批判するわけです。
 これにはもう私ははらわたが煮えくりかえるような怒りを覚える。

 ですから、この政治活動、選挙運動のプロたちの存在がきわめて重要で、彼らは小沢一郎から、その師匠である田中角栄直伝の選挙術を学んでいる。だから、彼らは角栄の「川上から活動しろ」という選挙術に従って、田舎町でも一番へんぴな奥の方の、農村地帯の部落のようなところから本気で選挙区を駆け回る、ということをやらせた。このことをすごさを理解できないようなひとは、政治活動について論じることをやめたほうがいいでしょう。

 選挙に当選した後も、新人議員は東京で勉強会をしたり、偉そうにあちこちで政治家らしく振る舞うようなことはしなくていいから、地元の田舎選挙区に帰って、じいさんばあさんと本気で話してこい、というやり方を取るわけです。だから、地べたをはうように、国民に意見を聞き、国民に教えられるということをやれ、ということ。このことのすごさをまだ皆さんは軽く見ているのではないか、という風に言わなければならないのです。そういう風にしないと本当の国民政治家が育たないと私は考えています。

 だから、今、検察は小沢一郎が代表を務める陸山会(陸山会は、「法人格なき社団」なので、団体名での土地登記ができないので小沢一郎個人の登記になっている)が所有するアパート・マンションというものへの攻撃を仕掛けてきた、これをやると政治家の政治活動の基盤を破壊できるということに気が付いたわけです。こういうことをやっていいものだろうか。

 次の政変が起きて、小沢直系の人物、政治活動における弟子たちが「皆殺し」にされる事態が来るかもしれない。政治の戦いはきれい事ではない。一般人が軽い気持ちでのぞき込んでいけない世界であるということは、私は自民党勉強会に昔なんども呼ばれて政治家の顔つきをじーっと眺めてきた人間ですから非常によく分かります。どろどろの汚らしい世界であるわけです。

 本来は、その荒波の中でどれだけの人間が生き延びて、本来持っていた政治家としての資質をのばすか、ということが重要なのですが、マスコミ、大新聞の政治部の記者どもは、官邸や派閥事務所入りするうちに顔がまるでゴロツキのように見にくくなってきて、「政治資金のスキャンダル」だけを血眼になって探すような存在になっていく、というわけです。「人間を育てる」ということには金も時間も掛かりますから、小沢一郎があれだけの政治家になっているということは、当然、巨大な秘書軍団の一つや二つ抱えていなければ話が合わないということです。それはテレビや大新聞が報じる写真・映像や記事の中に見えていないだけであって、確かに存在するわけです。

 ですから、私は小沢一郎があと2,3年生きて居てくれたら、この間に日本の政界のその遺産として、優れた政治家達を残していってくれることを期待しています。それに対して、自民党の二世三世議員を中心にしたボンクラたちは、本当にどうすればいいのだろうか、というくらいにものが見えていない。

 自民党系で衆議院や参議院になった連中の顔つきを見ていますと、政治家の家に生まれたボンクラ息子か、官僚上がりで各業界団体、土建屋や医療関係の産業界の団体に担がれて、もっぱらその組織票をあてにして受かってきたような連中です。この古い体質の政治家達の一番嫌いなことと言えば何かというと、地元の選挙区で頭をさげる、ということです。ぺこぺこして選挙民と握手して回るということです。

 これが自民党系の古い体質の政治家にとっては死ぬほどいやなことなのです。なぜから酒の席や地元のじいさんばあさんの集まる場所で、かならず「あんただれのおかげでそんなに偉そうに振る舞えると思っているんだ」ということを言われるからです。このボンボン息子やバカ官僚の成り上がり組たちが一番いやなことといえば、地元ではいつくばって政治活動をやることなのです。

 小沢一郎は、まさにその真逆のことを民主党の議員や候補者にやらせているわけです。たとえ、地元の選挙民の陳情や要望を全ては受け入れられないとしても、とにかく人の話を聞け、という風に言ってきた。これが民主党の大勝利につながった大きな要因であるといえるわけです。

 私たちの学問道場の会員の中にも、「小沢一郎はごう慢である」とか、「ああいう人は日本人の体質に受けいれられない」という人がいます。ある会員の人で、六五歳の年金生活者で、「二〇〇〇万円株で損しました。私はなんとしてもこれを取り戻したいです」というような人がいますが、この人の話を聞いていると、まるで政治の世界というものはきれいな人間関係、美しい構造、というくらいにしか思っていない。良くこの年まで現実の汚らしいところを歩かないで生き延びてきたものだ、と不思議なくらいだと私は思います。

 まず、政治の本質は悪であり、人間が持っている汚らしいもの、すなわち、憎しみや、ねたみ、しっとといった恐ろしい劣悪な感情をたくさんかき混ぜて出来ている、人間世界の縮図であるということを私はもう一度はっきりと言わなければならない。このことを知らないで生きてきた人が実は世の中にはたくさんいるのだということを、最近では私の方があぜんとしてしまうことが多いのです。

 だから、激しい政治闘争の中から鍛え上げられて成長していく政治家を国民がそだてなければいけない。だから、私は鳩山・小沢政権の真の実力者は、小沢一郎や亀井静香のような権力闘争を勝ち抜いてきた人物であることは当たり前だと思っている。

 そして、そういう政治家達が、なるべく本当のことを国民に語るという国のあり方を目指すべきだと思います。

 次に、鳩山・小沢政権は亀井静香と福島瑞穂・社民党代表をうまく連立政権の中で生かしながら外交問題を処理している、ということも言わなければならない。それは、鳩山政権発足直後から浮上してきた普天間基地の移設問題の処理の仕方に良く現れている。これも、鳩山首相と福島瑞穂が目配せをするだけで行われる戦略です。鳩山は首相ですから、代わりに福島瑞穂が、「普天間の国外や県外への移設しか認められない。もし、辺野古地区へアメリカの要求通りの基地をつくるのであれば、社民党は連立を離脱する」と12月上旬に発言したわけです。

 これも「目配せ」の戦略なわけで、これを受けて、マスコミに頭がクルクルパーにされている、アメリカの手先系の右翼たちがこれに激しく反応した。ここで、左翼である社民党の福島瑞穂に怒りを一気に集中させることで、うまい具合に「連立政権を維持するために」という名目を立てて、鳩山首相は五月までの「普天間移転の先送り」を決めたわけです。これは吉田茂がかつて、社会党や左翼たちをもり立てて、アメリカの再軍備要求を徹底的に跳ね返した歴史を振り返れば有効な戦術であることがわかるでしょう。

 マスコミがいやがって書かないのは、私が前から書いてきたように、「外交問題はお金の問題」であるということです。アメリカとしては、とっくにグアムに海兵隊を全部まるごと移設することを決めているにもかかわらず、自民党政権との合意にこだわっているわけですが、その狙いは、「日本政府からいったいどれだけのお金をふんだくることが出来るか」ということ以外にはないわけです。それを計算している。

 そもそも普天間のヘリコプター基地が問題になっているわけですが、ヘリの基地なのですから滑走路などまったく不要である、と考えれば誰が考えてもすぐにわかることです。この背景には、海兵隊と他の陸海空軍の関係が良くない、なぜなら海兵隊は差別されている集団である、という事情があり、だから他の場所で一緒に出来ないというアメリカ側の理由があるのです。

 それなのに、一〇〇〇メートル級の滑走路をよこせというアメリカもアメリカだが、それに食らいついている、日本の建設業者、この国防利権をあさっている連中が浅ましい存在である、という以上の問題ではないのです。

 ところが、アメリカの手先となった外務省と結託した、ジャパンハンドラーズの連中たちが、お仲間である日本のマスコミを使って、「アメリカは激怒している」だの「日米同盟の危機だ」と騒ぎ立てるわけです。例えば、リチャード・アーミテージ国務副長官などという、見るからにゴロツキ軍人あがりであるような人物は、アメリカの兵器生産会社の代理人ですから、結局は、北朝鮮や中国に備えるという理由を付けて、日本の防衛省に米国産の兵器を売りつけたいだけです。

 そうすると、彼ら、ジャパン・ハンドラーズ(日本操り対策班)にとって、外務官僚たちと裏で取引することは、国民の代表である政治家たちを交渉するよりもずっと都合が良いわけです。この「知日派」といわれる日本の友人のふりだけをしたアメリカの元政府高官たちは、そういうただの利権屋なのです。そういう利権屋が、いかにして日本政府にアメリカ軍のグアム移転にどれだけの金を出させることができるか、ということを考えていて、それが彼ら自身の「ビジネスマンとしての評価」につながる、というわけなのです。

 そういうしがらみのない日本研究者でいえば、現在三〇歳も行くか行かないかの若手のトビアス(トバイアス)・ハリスという、昔、民主党の朝尾慶一郎議員の秘書もした人物がいて、この若い日本研究者は具体的に名前は出さないけれども、例えばアーミテージのような、日米安保の枠組みに乗っかって成長してきた利権屋やメディアの政権批判をきわめて冷ややかにみていることに注目しなければならない。冷戦時代に日本研究をしていた、マイケル・グリーンとかのような人物の時代はもう終わったと見るべきでしょう。

 トビアス・ハリスという若い研究者が英語で書いているブログは、日本のマスコミが絶対に報じないような細かいところまで詳しく分析しながら、むしろ鳩山・小沢新政権を評価していることの方が多い。

 こういった、若い世代の日本研究者が公正に新政権の姿を海外の読者や日本人に伝えているにもかかわらず、日本の大新聞の記者達は愚かにもマイケル・グリーンやアーミテージの言葉をありがたがる。これでは大企業が総会屋と癒着していたことも批判できないだろう、と言っておきます。(英語版のブログの日本語の抜粋が「オブザービング日本政治」:http://newsweekjapan.jp/harris/2009/12/post-36.php)

 だから、鳩山首相は、よけいなアーミテージらのような共和党政権の元高官の脅しつけは無視していて、鳩山が相手にするのはホワイトハウスのオバマ大統領だけであるというやり方は非常に正しいことだと私は思います。オバマ大統領とミシェル夫人は、汚らしい政治の権力闘争をやらないで、たとえ自分たちが政権を途中で追い出されることになったとしてもかまわないから生きていこうと決めている。だから、彼らは今のアメリカ民主党を支えているもっともリベラルで温厚な人たちが、ホワイトハウスの中にいて、それが鳩山・小沢政権を潰すという動きには出ていない。そういった高官や知識人の理解があるわけです。(ところが、これがヒラリー・クリントン国務長官や国務省となると話は別でしょうが。)

 こういうことを明瞭に私が手の内を明かすかのように書いてしまうことは、結果的に、鳩山・小沢政権にとって良くないことなのだけれども、やはり真実を新春に当たって皆さんに伝えなければならないと思います。

 後は中国との関係では、鳩山首相が常々言っているように、「日本はあまりにもアメリカとの関係に囚われてきた」というのは正しくて、これからは中国重視、アジア重視に舵を切らなければならない、というのは正しい。だから、12月10日には、胡錦涛と小沢一郎が会談しましたが、小沢一郎はこのときに自らを「野戦軍の司令官」として、次の参院選を戦い抜いて、政権交代という日本の政治にとっての大義を実現すると宣言したわけです。

 私は、中国人や韓国人、あるいは朝鮮人と日本が仲良くしようとすると、すぐに激情して怒り狂う連中は、人間的に汚らしいと思うし、これからも批判しようと思います。そういう連中はどうせ、「副島は中国・朝鮮の手先だ」という反論くらいしかできません。自分が民族派だと思っている人間ほど、実際はアメリカの手先のような振る舞いをしている、ということにそろそろ気づいた方がいいと思います。

 ただ、そういう反中国、反韓国といった人間たちの中には、現実味のある中小企業の経営者のオヤジもいまして、彼らは韓国と北朝鮮が民族として統一することを一番いやがっている。それは彼らは中国を嫌うがゆえに、韓国と北朝鮮があってくれた方が、バッファー、すなわち緩衝地帯として日本にとって良いことであると考えるわけです。

 しかし、私は前から言っているように、あの北朝鮮という国ではもうすでに一千万人くらい餓死してしまったのだから、残りの一千万人くらいは民族統一させてあげて、高麗連邦でも何でも良いから、とにかく統一させる方向で日本は応援すべきだといつも考えています。独裁政治を行う北朝鮮という国家は恐ろしいのだけれども、日本人としてはそれを統一する方向で解決させて、東アジアという枠のなかで経済的繁栄を追及するということが非常に大事であると思います。

 国防・安全保障に関しては、もし外国がどこであれ攻めてきた場合は、国民でまとめて戦う、あるいは、敵と戦う自衛隊を国民が宿を提供したり、泊めてあげるということが何よりも大事なことであると思います。だから、まさに専守防衛なのであって、領土、領空、領海から外に出ないという国防思想で十分であって、私は何のために核兵器で武装するべきだと言わなければならないのか、という風にそういう考えを疑いの目で見ています。

 なおかつ、中国にしてみれば、アメリカが日本と中国を相対立させるということになれば、中国も一層の軍事費を掛けなければならなくなるので、中国国内の人民解放軍をつけあがらせてしまうことになることを恐れてもいるわけです。だから、軍事的な対立や軍備の増強をいたずらに行ってはならないというのがもっとも重要な考え方で、小沢がやっているような人材交流や、これから行われる日中の軍事共同演習においての交流が重要だ、ということになるわけです。

 最後になりましたが、今年も学問道場をよろしくお願いいたします。

副島隆彦拝